麒麟がくる34話のあらすじ、感想を書いた記事です。
織田信長の命令で、比叡山の焼き討ちが行われました。
足利義昭は信長を非難し、光秀は悪夢に苛まれます。
ある日、筒井順慶と松永久秀の戦が、幕府の先導で始められそうになり、今井宗久を頼って和議に持ち込もうと奔走する回です。
比叡山の焼き討ち
元亀2年(1571年)、織田信長(染谷将太さん)は、大坂本願寺(石山本願寺)の号令により蜂起した伊勢や近江の門徒衆(一向一揆)を敗退せると、比叡山の麓に兵を集めます。
織田信長は信長包囲網に苦しめられる中、比叡山の無力化が打開策であると考え、比叡山延暦寺に襲い掛かります。
織田信長は、僧兵や傭兵だけでなく、高僧や建物などを焼き払い比叡山を壊滅させます。
信長は、武器を持たぬ者でも斬り捨てるよう命じた為、この世の地獄のような凄惨な光景になりました。
覚恕(春風亭小朝さん)は取り逃がしましたが、朝倉義景(ユースケ・サンタマリアさん)、浅井長政(金井浩人さん)の背後にいる比叡山を徹底的に叩き潰し、信長は満足気です。
上機嫌な信長に、明智光秀(十兵衛)(長谷川博己さん)は、命令に反して、女、子供を見逃しましたことを打ち明け謝罪します。
信長は、他の者なら首を刎ねるところであるといいますが、聞かなかったことにすると言います。
今後は、皆滅ぼすようにと釘を刺すと、一番手柄の褒美として近江国志賀郡2万石を拝領したのです。
足利義昭の怒り
比叡山から逃れた難民が京に押しかけ、怪我を負い動けない者も沢山いました。
足利義昭(滝藤賢一さん)は、二条城の庭に負傷した者を入れ、医者達に手当をさせます。
平安時代から聖地とされた比叡山で、信長は神仏をも恐れぬ残虐な行為をし、足利義昭は憤ります。
足利義昭は、信長でも比叡山に対し、残虐なことはしないと断言していた摂津晴門(片岡鶴太郎さん)、三淵藤英(谷原章介さん)に怒りをぶつけます。
そして足利義昭は、何故、戦を止めなかったのかと摂津を非難します。
摂津晴門は覚恕に拝謁した際に、田舎者の信長でも、比叡山には指一本触れられないだろうという見立てを聞いて、安心していた旨を伝えます。
田舎者だからこそ、神聖な比叡山相手であっても、残虐なことができると思わなかったのかと咎め、信長は何をしでかすかわからないと憤ります。
そして、無能な幕府が信長の片棒を担ぎ、比叡山滅亡を招いたと非難されると嘆きます。
長く仏門にいた義昭にとって、霊験あらたかな比叡山の焼き討ちは、許せることではなかったのです。
信長と敵対する覚悟
足利義昭が織田信長を恩人として重んじるので、強気に出れないと摂津晴門は不満を言い、信長との関係を断つべきであると主張します。
そんなことができるのか三淵藤英は、懐疑的に思いましたが、摂津晴門は自信がある様子です。
大和の覇権を巡り争っている松永久秀(吉田鋼太郎さん)と筒井順慶(駿河太郎さん)が戦を始めたら、幕府の援軍を筒井に送れば良いと言います。
織田信長が味方する松永久秀ではなく、敵対する筒井順慶を支援することで、立場をハッキリさせるという案です。
三淵藤英が勝算はあるのか問い、織田信長が幕府の敵と分かれば、軍勢を集めることは出来ると摂津晴門は言います。
摂津晴門は、田舎者大名(信長)に頭を下げたくない大名の加勢を期待しているようです。
そして、何より重要なことは、信長と敵対する覚悟があるかどうかであると義昭に迫ります。
二条城で駒(門脇麦さん)が負傷者の手当をしていると、到着したばかりだという筒井順慶が現れ、何事かと問います。
状況を聞いた筒井順慶は、「流石公方様」と感嘆しますが、無残な状況に順慶と縁深い大和の東大寺、興福寺が松永久秀の侵攻により焼き尽くされた悲劇と重ね合わせます。
そして、足利義昭の力を借りて、松永久秀を討ち果たす覚悟を示すと、大和に平穏をもたらしたいという願いを口にします。
比叡山の悪夢
一方、光秀は家族のいる京の館に戻ります。
光秀は時々、女、子供まで無残に斬られた比叡山の焼き討ちの悪夢を見るようになっていました。
悪夢の中で赤ん坊の声が聞こえていましたが、目覚めると産まれたばかりの嫡男・十五郎の声でした。
15歳に成長した長女のお岸(平尾菜々花さん)は、明智左馬助(間宮祥太朗さん)について手習いをしていますが、次女のたま(竹野谷咲さん)の姿がありません。
珍しい鳥が市で売られていると聞いたたまは、好奇心を掻き立てられ藤田伝吾(徳重聡さん)をお供に出かけていたのです。
比叡山の焼き討ちによる恨み
その後、たまが額に怪我をしたとの知らせが入ります。
比叡山の焼き討ちで光秀に恨みを持つ者が、たまに礫(つぶて)(石)を投げつけたようです。
たまは、偶然、望月東庵(堺正章さん)の所で手当されていて、光秀は東庵の診療所に駆け付けます。
光秀が到着すると、手当を終えて元気そうなたまの姿に、光秀はホットします。
どの様な鳥を見たかという光秀の問いかけに、たまは南の島から来た綺麗な鳥を見たと無邪気に答えると、伝吾を叱らないで欲しいと懇願します。
光秀はたまを意地らしいと思い、悪いのは比叡山で戦をした父であると誤ります。
誰かに礫を投げさせたことも、にたまが怪我をしたことも、全て戦をした自分が悪いのだと…。
たまが何も言えずにいると、望月東庵が大きな傷でなくて良かったと穏やかな口調で話しかけ、3日後にまた診せに来て欲しいと伝えます。
元気のないたまに、駒がお手玉で遊んであげてると、笑顔を見せます。
すると、たまは、父上は悪くないと言うのです。
どうやら、煕子(木村文乃さん)が子供達に、父は仕方なく戦をしている、悪いのは戦であると話しているようです。
幕府が筒井順慶の後ろ盾!?
そう話していると、駒が光秀に話たいことがあると言います。
売られた妹を助ける為に、比叡山の僧侶に丸薬(芳仁薬)を売っていた平吉(入江大牙くん)が、戦に巻き込まれ落命したことを話出します。
駒は光秀を責めているのではないと言い、14歳の平吉の悲劇を通して、良い戦も悪い戦もないと言いたいようです。
足利義昭が信長から離れようとしていると駒は言い、以前のような戦になりそうで怖いと訴えます。
幕府が筒井順慶を支援し、松永久秀と戦をしようとしていると言い、やがては義昭と信長の戦になるのではと駒は案じます。
思いもよらない話に光秀は驚きますが、本当ならば、何としても止めなくてはなりません。
筒井順慶は京に滞在していると見られ、光秀は順慶に会う為に、駒を連れて下京の寺に向かいます。
その後、筒井順慶に会ってみると、順慶自身もこの状況に困惑しています。
筒井順慶が言うには、松永久秀と戦になれば、足利義昭だけでなく、織田信長も筒井側につくだろうと幕府から言われたそうです。
すると光秀は、織田信長は、上洛以来の味方だと思っている松永久秀の敵に加勢はしないと言い切ります。
筒井順慶は、信長と敵対したくないと思っており、光秀も信長が上洛したら、筒井順慶と引き合わせたいと思っています。
ですが、父祖伝来の地に侵攻してくる松永久秀を放っておけないと、筒井順慶は顔をしかめます。
筒井順慶は戦準備の為、明日、大和に戻るつもりであったようですが、光秀は共に堺に寄り道しないかと提案します。
光秀は、今井宗久(陣内孝則さん)の茶を飲みながら話そうと言い、丁度、堺に用事のあった駒も同席する事になりました。
筒井順慶と松永久秀の対話
今井宗久の館に到着すると、光秀が呼び寄せた松永久秀も既に着いていました。
松永久秀の考え次第で和睦出来るかもしれないと考えた光秀は、今井宗久の協力を得て、筒井順慶と久秀を会わせてみようと考えたのです。
茶の前に、松永久秀と対面しようという光秀の提案に、筒井順慶は同意します。
光秀達が松永久秀が居る部屋に入ると、久秀は易占いの最中でした。
戦の前には易占いをたてるのだと久秀は言うと、順慶と光秀の方を向きます。
戦は勝かという光秀の問いに、敵を目の前にして教えられないと久秀は答えます。
しかし、知りたいと順慶が言うと、この茶入れを1000貫で買うなら教えると久秀は言い、目の前に茶入れ持って行きます。
その茶入れに1000貫の価値はないと見抜いた筒井順慶は、10貫ならばと答えます。
1000貫の値打ちのある茶入れを見たことのある筒井順慶の目は、騙されませんでした。
光秀 松永久秀と交渉する
すると刀を手にした松永久秀は、光秀を部屋の外に呼んで二人で話します。
信長から大和を切り取り次第にして(戦で勝ち得て)良いとの、お墨付きを得ていた松永久秀は、今更手を引くのかと光秀に訴えます。
筒井順慶が足利義昭と深い関わりを持つようになり、状況が変わったのだと光秀は説得します。
美しい大和を手に入れたいと久秀が言うと、光秀は大和の代わりに、近江2万石ではいかがか問います。
比叡山の焼き討ちの功績により、光秀が信長から拝領した領土を久秀に譲るというのです。
思いもよらない提案に久秀は驚き、信長が承知するか疑問にも思います。
光秀は信長を説得できると思っている様子で、大和を筒井順慶に、近江を松永久秀にと交渉するつもりで来たようです。
神仏をも恐れない信長に戸惑う
少しの間を置いて松永久秀は、足利義昭と織田信長の仲は、長くは続かないという見立てを述べます。
まるで水と油のように違う二人は、いつか決別すると確信しています。
松永久秀自身は信長が好きだと言いますが、比叡山の焼き討ちで、神仏をも恐れず焼き滅ぼす信長に戸惑いもあるようです。
あの図太さは自分にはないと久秀が言うと、光秀は比叡山のことを思い出して苦悩し同調します。
しかし久秀は、信長を義昭に引き合わせ、今まで動かしてきたのは、光秀であると考えます。
比叡山のことも惨たらしいと思いながらも、壊滅させなければ世が変わらないという思いもあるのではないかと言い当てます。
信長と光秀は、いつか義昭と争うことになると予見した久秀ですが、志賀(近江国志賀郡)の領土を久秀に譲るといった光秀の心意気は気に入ったようです。
光秀の願い通り停戦する意思を見せた久秀は、筒井順慶を読んで茶を飲もうと言います。
正親町天皇を崇拝する信長
美濃の岐阜城に登城した光秀は、松永久秀と筒井順慶の和睦について、信長に報告します。
しかし、久秀は近江国志賀郡の領土を拝領する気はなく、光秀の顔を立てて和議に応じたようです。
足利義昭から松永久秀討伐の為、派兵を要請されていた信長は、久秀と戦にならなかったと喜びます。
光秀の予想に反して、信長は松永久秀と一戦交える覚悟をしていことを知り、光秀は驚きます。
信長は足利義昭と敵対し、京に荒波を立てれば、正親町天皇(坂東玉三郎さん)を悩ませると考えたと言います。
足利義昭は的を得ていないと感じる信長は、足利義昭のことは既に眼中になく、正親町天皇を崇拝している様子です。
戦のあと宮中に参上した信長は、参上正親町天皇に謁見して、比叡山の戦を奏上していました。
痛ましい戦であるがやむを得ない旨の返答があったと言い、今後も天下静謐に励むようにと誉められたと感じているようです。
「大儀であった、頼みにしている」と言われたと満足気な信長に対し、光秀は不思議そうな顔をしています。
正親町天皇と覚恕
場面は変わって、正親町天皇と望月東庵が碁を打つ姿がありました。
正親町天皇は、関白・二条晴良(小藪千豊さん)から、信長を使って覚恕を追い払ったという世間の噂を聞かされ、そうかもしれないと否定しなかったと言います。
正親町天皇は、お金と力を使い都を手中に収めようとしていた覚恕を追い払えたのは、信長しかいなかっただろうと思っていました。
本心を言えば無残な戦であると思っているそうですが、参内した信長は誉めて欲しそうであり、褒めたことを望月東庵に打ち明けました。
その頃、甲斐に逃げ込んだ覚恕は、武田信玄(石橋凌さん)に信長に対する恨みを訴え、信玄は打倒信長を誓います。
麒麟がくる34話の感想
比叡山の焼き討ちでの一番の手柄は光秀とのことでしたが、光秀の活躍がイマイチ伝わりませんでした。
光秀の進言で覚恕側近の首が取れたという趣旨の発言がありましたので、その辺りでしょうか。
光秀が女、子供を見逃したという史料はないと思いますが、今の歴史が史実とイコールという訳ではないですしね。
光秀が治めた土地では、思いやりのある光秀の姿が垣間見えます。
そう考えると、女、子供は見逃し、それを隠し通していたという解釈もできるのでしょうか。
麒麟がくるでは、光秀は見逃したことを信長に自白しましたが、信長の表情が恐ろしいと思いました。
足利義昭は激怒していましたが、自身の力のなさに対する苛立ちもあるように感じました。
今井宗久の館での筒井順慶と松永久秀の対峙は面白かったです。
緊張感のある演技も良かったですし、吉田鋼太郎さんは愛嬌も迫力もある松永久秀の演技が上手ですね。
そして、癒しにもなっているように感じます。
史実上の松永久秀は、三好三人衆や筒井順慶との戦で、大和の東大寺大仏殿を焼き払ったことで知られています。
松永久秀は、梟雄として語り継がれていたので、信長もビックリの久秀の三大悪事の一つなどと言われていますが、東大寺大仏殿の焼失は故意では無いという説があります。
そもそも、火をつけたのは、松永久秀方ではないという説もありますので、麒麟がくるで比叡山の焼き討ちをした信長に久秀が戸惑っていたのは、納得のできる流れに思いました。
34話では、石橋凌さん演じる武田信玄が登場し、存在感を発揮しました。
三方ヶ原の戦いは、期待できるのでしょうか。
ですが、期待し過ぎず、放送を待ちたいと思います。
明智光秀が丹波国の福知山で慕われる理由 参考・引用・出典一覧 戦国時代ランキング
コメント
コメント一覧 (3件)
かおりんさん、こんばんは。
比叡山を巡る十兵衛の言動はちょっと綱渡りだったような気がしますね。
信長の意向に反したのに加増される、という矛盾に納得するには説明が足りなかった気がしますよね。
松永久秀と筒井順慶の会見は流れとしてはかなり無理がありましたが、単純に「場」として面白かったですよね。
十兵衛と内緒話する久秀とかw
こんにちは。
ありがとうございます。
史実上で信長の意向に反したのなら、加増どころか、許されなそうですね。
確かに納得する説明は無かったですね…。
麒麟がくるでは描かれていませんが、この加増は破格の待遇で
宇佐山城主に加え周辺の領土である近江を拝領し、織田家随一の待遇を得ています。
なので、本当は「是非ともなでぎり二」したのでしょうね。
松永久秀と筒井順慶の会見も無理はありますが、久秀と内緒話など面白いと思いました。
[…] 態になった時、光秀の機転により戦を回避した経緯があります(34話)。 […]