麒麟がくる33話あらすじ、感想 比叡山の主・覚恕に出会う光秀

麒麟がくる33話の詳細なあらすじ、感想を書いています。

比叡山に籠る朝倉義景、浅井長政と対峙している間に、反信長勢力に囲まれ窮地に陥る信長。

光秀は、和議を結ぶため朝倉義景の元を訪ねると、比叡山の主・覚恕に出会います。

目次

四面楚歌の織田軍

元亀元年(1570年)11月、織田信長(染谷将太さん)は近江の宇佐山城に本陣を置くと、比叡山に立て籠もる朝倉義景(ユースケ・サンタマリアさん)、浅井長政(金井浩人さん)と睨み合っていました。

朝倉・浅井軍はいっこうに動く様子はなく、比叡山の上と下で対峙し、2ヶ月が過ぎています。

そうしている間に、大坂本願寺(石山本願寺)は門徒衆に号令を発し、それに伴い伊勢長島の一向宗も蜂起します。

石山本願寺(大坂本願寺)推定地
石山本願寺(大坂本願寺)推定地

西からは大阪本願寺と三好勢が迫り、南では長島一向宗と反信長勢力に呼応した六角義賢(六角承禎)が挙兵します。

四面楚歌の状態に陥った織田信長は、窮地に立たされたのです。

このままでは、袋のネズミになり兼ねないと考える信長は、一気に比叡山に攻め込み朝倉と一戦交えようと言います。

信長は、浮足立つ柴田勝家(安藤政信さん)、佐久間信盛(金子ノブアキさん)らを叱咤しますが、山の戦では高い方から攻める敵側が有利な上、朝倉・浅井軍には地の利がある比叡山の僧兵が味方しています。

打つ手のない状態に困り果てた織田家重臣らは、顔を見合わせます。

軍議が行き詰る中、明智左馬助(間宮祥太朗さん)が、急ぎやって来ます。

左馬助は、光秀に命じられ朝倉方を訪ねており、朝倉の家老・山崎吉家(榎木孝明さん)が、直ぐ明智光秀(十兵衛)(長谷川博己さん)に会いたいと言っているそうです。

和睦できる見込みはあると思った光秀は、信長の許可を得て比叡山へ急ぎました。

足利義昭が和議を斡旋する

その頃、二条城の足利義昭(滝藤賢一さん)は、長引く戦に待ちくたびれていました。

三好勢や大坂本願寺の門徒が京の周辺をうろつくので、治安も危うい状態です。

摂津晴門(片岡鶴太郎さん)は、双方に使者を出し、和議を結ばせようとしているそうですが、戦が終わる気配はありません。

浮かない表情の義昭が縁側にでると、駒(門脇麦さん)が待っていて、戦はいつまで続くのか尋ねます。

分からないと不機嫌そうに答えた義昭は、どちらが勝っても死なせたくない者がいて、光秀もその中の一人であると言います。

光秀は寵愛する駒がかつて慕っていた相手ですし、耳の痛い話でも正直に言ってくれる光秀を気に入っており、失いたくないと思っているのです。

朝倉と和睦を模索する光秀

比叡山延暦寺に到着した光秀と左馬助は、山崎吉家に出迎えられます。

山崎吉家の案内で朝倉義景のもとへ向かう光秀ですが、隠れて様子を探る菊丸(岡村隆史さん)の姿がありました。

光秀は堂塔の一室で朝倉義景と対面し、かつて美濃を追われ越前で世話になった恩を返したいと言い、この度の戦を終わらせ、両軍とも無事に帰国できるよう全力で臨む旨伝えます。

すると朝倉義景は、困っているのは光秀ら織田勢であり、朝倉は困っていないと返答します。

朝倉義景の拠点である越前は、雪の降る時期になり、雪が積もれば越前一乗谷への帰還が難しくなります。

このまま比叡山に留まり、雪解けまで2万余りの兵を養うのも負担が大きいのではないかと説き、戦は潮時ではないかと光秀は言います。

義景は無言のままですが、丁度、比叡山の主・覚恕(かくじょ)(春風亭小朝さん)一行が、外を歩いていました。

和睦の相手は覚恕

覚恕は、正親町天皇(坂東玉三郎さん)の弟で、比叡山延暦寺の住職である天台座主(てんだいざす)です。

比叡山延暦寺
比叡山延暦寺

覚恕に目通りしたことがあるか義景に問われた光秀は、無いと答えると、義景に促されて縁側に出て覚恕が通るのを待ちます。

覚恕はどっしりと太った体型で、なんとも華やかな衣装を身に着けて、金箔で飾った輿に乗りながら、横目でじろりと睨み通り過ぎます。

朝倉義景が言うには、比叡山が何百年もかけて得た領地、寺社、商いを信長が奪った為、覚恕は怒り心頭しているのです。

信長を都から追い出すまで戦するよう義景に命じていたのは、覚恕であると光秀は理解します。

朝倉義景ともあろう方が、覚恕の意向をそんなに重んじるのか光秀は問います。

長い間、朝倉義景は、信徒による一向一揆と争っており、お経を唱える者との戦に勝つのは難しいと思っていました。

いくらでも湧いてくる虫のようであり、比叡山延暦寺も同様に手強いであろうと光秀に釘を刺します。

停戦する為には、信長が覚恕に跪く必要があると義景に言われ、覚恕を説得できないかと考えた光秀は、目通りを願います。

光秀は無事に目通りできますが、色情に溺れる覚恕の姿を目の当たりにします。

覚恕は山崎吉家から、光秀のことを信長の懐刀で切れ者であると聞いていると言い、光秀の目に自分はうつけ者に見えるだろうと言います。

覚恕は美しい兄・正親町天皇に、幼い頃から劣等感を持っている様子です。

自身の姿が醜いから、比叡山に出家させられたと思っている覚恕は、美しい者に頭を下げるのは止めようと考えたと言います。

そして、覚恕がお金と力を持つと、皆頭を下げたと満足気に笑います。

金や領地を貸したり、商いを許可したり、天皇でさえ法要を営むお金が必要で、頭を下げたと感無量という表情で美しい者に勝ったと言います。

そんな領地、お金を次々と掠め取る信長が許せないようで、「ワシに返せ!」と声を荒げます。

光秀は、信長が頭を下げる相手ではないと考えたのか、光秀から和睦を切り出しませんでした。

古木江城の織田信興が討たれる

一方、駒のもとに、丸薬(芳仁薬)を500粒売って欲しいという平吉(入江大牙くん)が訪ねてきました。

子供達に食べさせる為に母が妹を売ってしまい、妹を助ける為にお金が必要なので、お金のある比叡山の僧侶に芳仁薬を高値で購入してもらおうと考えているようです。

また、妹は比叡山の僧侶に買われたとも打ち明けます。

織田信長が比叡山に足止めされている間に、反信長勢力は信長包囲網を狭めてきました。

伊勢長島の一向一揆は、本山である大坂本願寺の命令により、信長の弟・織田信興(増本尚さん)の守る尾張の小木江城を攻撃して討ち果たします。

古木江城(小木江城)跡
古木江城(小木江城)跡

小木江城落城の報を受けた覚恕は、信長の退路が無くなったと喜びます。

比叡山の覚恕の館にて、覚恕と会談をしていた相手は、なんと摂津晴門です。

覚恕と摂津晴門は、誼を通じている様子で、信長を京から追い出し、再び手を取り合おうと密談をしているのです。

その時、床下に潜み会話を盗み聞きする人物がいて、それは菊丸でした。

覚恕と摂津晴門

織田軍が本陣を敷く近江の宇佐山城。

今にも事が起こりそうな状態の中、密書を持った光秀が信長のもとに参じます。

徳川家康の忍びが、比叡山の座主・覚恕の館で聞いた密談について、書かれていると言います。

菊丸が徳川の同盟相手である織田勢に、重要な情報を伝えてくれたのです。

その文には、覚恕と摂津晴門は、繋がっており、長年利を分け合っていた仲だと書かれています。

これでは、足利義昭が和睦を斡旋しても、進はずありません。

信長は、和睦が出来ないなら、京を捨てて美濃へ帰還すると言い出します。

尾張にいた織田信興が討たれた為、尾張が大事だと信長は言うのです。

そう聞いた光秀は、帰蝶(川口春奈さん)に笑われるつもりかと諭します。

信長は、将軍と共に上洛し、京を3年治め、天皇にも褒められたのだ、笑いたければ笑うが良いと言います。

父が存命なら誉めてくれるはずとムキになって反論しますが、帰蝶は笑うかとしょげるように座り込みます。

正親町天皇の勅命で講和する

もう一度、足利義昭の仲介を得て和睦するよう光秀は進言しますが、正親町天皇の顔を思い浮かべた信長は、天皇を頼みとします。

その頃、京の御所では、碁を打つ正親町天皇と望月東庵(堺正章さん)の姿がありました。

正親町天皇は、信長が比叡山の領地の返還と比叡山の商いを認めるので、覚恕と和睦したい旨の申し出があったと話しをしてます。

正親町天皇は、己の力を見せつけ、兄(正親町天皇)に頭をさげさせたいという覚恕の考えを見抜いていました。

覚恕は、余るほどの財を成しながら、壊れた御所を直してくれたことは少しもありません。

その御所の修繕をしてくれた信長が、和議を願っているのです。

正親町天皇は、迷うことなく、信長の助けになります。

覚恕は、貧困に陥った公家に金を貸し、引き換えに領地を奪ったと天皇は言い、自身と弟の戦いかもしれないと考えます。

同年、12月、関白・二条晴良(小藪千豊さん)を近江の三井寺に遣わして、織田、朝倉、浅井、比叡山延暦寺に、正親町天皇の勅命が伝えさせます。

比叡山延暦寺、朝倉の要求を信長が承諾するという条件で、比叡山の戦いは終わりを迎えました。

こうして、信長は絶体絶命の危機を脱したのです。

一方、覚恕と摂津晴門は、甲斐の武田信玄(石橋凌さん)に上洛を促し、信長の力を封じようと密談していました。

幕府を離れる覚悟をする久秀

こうして平安が訪れた京の二条城で、足利義昭や筒井順慶(駿河太郎さん)達が、能を鑑賞していました。

その席に同席していた松永久秀(吉田鋼太郎さん)は、凄い剣幕で光秀のもとへやってきます。

久秀が言うには、筒井順慶が義昭の養女を娶ることになり、その前祝いを兼ねた席だと言います。

久秀にとって筒井順慶は、長い間争っている最大のライバルです。

長年大和を治める筒井氏の領土に切り込むため、久秀は信長や義昭と手を携えていたのです。

足利義昭は、そのことを知っているにも関わらず、筒井順慶の祝いの席に、何も知らせず久秀を招いており、何故、自分を招いたのかと怒りを露にします。

久秀は幕府を離れ、筒井順慶と戦をする覚悟を光秀に言い、信長へも伝えて欲しいと言い去って行きました。

古き悪しき者を倒す

久秀を引き留めようとしたものの、叶わず為す術なく立ち尽くす光秀のところへ、摂津晴門がやってきて義昭の側へ行くよう促します。

この席に松永久秀を招いたのは、摂津晴門の謀であると光秀は見抜きます。

摂津晴門は、多くの大名に支えて欲しいという義昭の願いを汲んで、両名を招いた親心であると申し開きをします。

すると光秀は、覚恕のもとへ行き、織田と朝倉が和睦しないよう仕向けたのも親心かと問い詰めます。

戦は終わったのに、奇妙なことを言うと摂津はトボケます。

明智光秀は笑い飛ばし、信長の戦は終わっていないと鋭い目で言い、新しい都をつくる為、古き悪しき者を倒す覚悟を鬼の形相で示します。

光秀の言う古き悪しき者とは、摂津晴門や覚恕のことです。

元亀2年(1571年)秋、織田軍は比叡山の勢力を討つ為、比叡山の麓に集まりました。

織田軍の軍議にて、信長は諸悪の根源である比叡山を壊滅させる覚悟を示し、兵だけでなく全ての者を討つよう命じました。

織田軍は、比叡山延暦寺を急襲します。

芳仁薬を販売していた平吉も命を落とし、比叡山は地獄絵図と化していきました。

明智光秀は、武器を持たない者達をどうするか信長に問いますが、何度も立ち去るよう言い伝えていたのだと信長は斬り捨てるよう命じます。

光秀は苦渋に満ちた表情をし、女、子供は逃がすよう言い、戦に臨みます。

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麒麟がくる33話の感想

光秀の甲冑の背中には、明智家の家紋・桔梗紋が大きく描かれていて印象的に思いました。

長谷川博己の光秀は、切れ者感、迫力が増して、主役らしくなってきたと思います。

朝倉義景に恩返しを求められる場面がありました。

美濃を追われて身一つで逃げ延びた光秀一行を匿って、目をかけていたのに、敵側についたわけですので、腹が立つだろうと思います。

ですが、越前に帰りたいからか、覚恕に目通りできるよう、取り計らってくれました。

春風亭小朝さん演じる覚恕は、お金と力の亡者感が凄かったですね。

3分半程一人で語っていましたが、長くは感じませんでした。

覚恕のセリフに、この通り見た目も醜いとありましたが、春風亭小朝さんは何を思いながら、自身の姿が醜いというセリフを発したのだろうかと思いました。

また、兄である正親町天皇との確執は、十分伝わりました。

正親町天皇と覚恕の兄弟喧嘩の代理が、信長の比叡山の焼き討ちと言うオリジナルストーリーは面白く思います。

比叡山延暦寺・瑠璃堂
比叡山焼き討ちで唯一残った瑠璃堂

望月東庵は、何故、正親町天皇に拝謁できるのか、天皇の口から説明するセリフがありました。

製作者サイドに、視聴者の疑問の声が聞こえてきて、挿入したセリフでしょうか。

望月東庵には、正親町天皇の本音を聞き出す役割があるのかな?と思っています。

史実上で正親町天皇の脈をとったり、皇室の医療に携わった曲直瀬 道三という名医がいます。

信長や大名などの診療や、後に光秀を診ていることから、望月東庵のモデルかもしれません。

架空人物ではなく、曲直瀬 道三として出演していれば、良かったかもしれません。

ですが、前半の望月東庵は、美濃、遠江、駿河に赴いているので、曲直瀬 道三にそのような記録はあるのかという突っ込みがあったかもしれませんね…。

正親町天皇に拝謁できる医者は曲直瀬 道三で、望月東庵はその弟子だったら良かった?かもしれないです。

また今回、菊丸の登場は、無くても良かったかなと思います。

徳川家康がいる場面で出して欲しいですし、徳川家の忍者が出てくるなら、木下藤吉郎が乱破(忍者)を使うか、織田家の忍者に諜報活動させても良かったような…気がしています。

ところで、光秀は、いつ信長に仕えるのでしょうか?

もう既に、義昭と信長の両属状態に見えますし、むしろ信長を主としているように感じます。

松永久秀が怒るシーンは、迫力、眼光鋭くて良かったです。

松永久秀は、人間味ある人物として描かれ、新しい久秀像が見れていると思います。

前回の32話で光秀が筒井順慶と出会った時に、光秀は信長を、駒は義昭を筒井に紹介する約束で、鉄砲を譲ってもらいました。

なので、信長や義昭の後ろ盾を得て、大和の筒井領に侵攻する久秀は、面白く思わないことは光秀にも分かったはずです。

元々、自分が蒔いた種なのに、棚に上げて、摂津晴門が悪いみたいな流れには違和感があります。

後に松永久秀が信長に敵対する時でも、主役の光秀の事は好きだったという流れの為に、悪者役は摂津晴門が引き受けたのでしょうか。

摂津晴門に対する冷たい不敵な笑いなど、長谷川博己さんの好演技は見事に思います。

比叡山は信長より前に、第6代将軍足利義教、管領の細川政元にも攻められています。

近年の研究では、信長の比叡山焼き討ちでは、そんなに燃えてなく、凄惨さも大げさに伝えられたという指摘があります。

ですが、麒麟がくるでは、比叡山焼き討ちの新説は採用しない様子ですね。

ただ、光秀が比叡山焼き討ちに消極的だったという、以前の説は排除したようで、比叡山攻めに賛同するかのような流れに思いました。

女、子供は見逃す指示をしていましたが、流石に主役にそこまで残虐なことはさせられないという感じでしょうか。

最近の麒麟がくるは、早足ですね。

視聴者が納得する終わり方はできるでしょうか。

参考・引用・出典一覧
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