麒麟がくる3話「美濃の国」のあらすじ 感想 ~斎藤義龍(高政)出自~

麒麟がくる3話「美濃の国」のあらすじ、感想を書いています。

また詳細なネタバレを含んでいます。

駒は幼い頃の命の恩人から聞かされた和歌は、美濃に伝わる狐の昔話でした。

また、斎藤義龍(高政)は、土岐頼芸と深芳野の関係を知り、自身の出自に疑問を持ちます。

目次

美濃の明智荘へ向かう帰蝶

土岐家は源氏の流れを汲む名家、美濃を200年治め絶大な権力を保持していました。

しかし、一族内で家督を巡り泥沼の争いになり、土岐家は衰退してしまいます。

そこに付け込んだ斎藤道三(斎藤利政)(本木雅弘)、美濃の実権は道三に渡ります。

※敬称略

斎藤道三(利政)など美濃勢は、織田信秀(高橋克典)率いる尾張勢と戦火を交え厳しい戦いを終えたばかり、その首謀者は土岐頼純(矢野聖人)でした。

土岐頼純は美濃の守護で、道三の主君でしたが、美濃に戦火をもたらしたことで、道三(利政)によって命を絶たれてしまいました。

土岐頼純の正室だった帰蝶(川口春奈)は、父・道三に夫の命が奪われショックを受けます。

そのような中、帰蝶は従兄妹の光秀(十兵衛)(長谷川博己)がいる明智荘へ向かうため馬を走らせます。

その頃、明智荘では明智光秀が田んぼを耕しています。

先の織田家との戦で、家臣の藤田伝吾(徳重聡)が足を怪我をしてしまい、農民にも怪我人がいたため、光秀が手伝っているところでした。

そこに、以前、光秀に助けられた小男・菊丸(岡村隆史)が現れます。

菊丸は自家製味噌を持って、野盗から助けてもらったお礼に光秀を訪ねたのでした。

餅や薬草もお礼に渡したいと言います。

そこに駒(門脇麦)と杖をついた伝吾が現れます。

伝吾は順調に怪我の回復をしていますが、治療に必要な薬草が底をつきてしまうと言い、薬草の調達に苦労しいている様子。

すると、駒は菊丸が持っているイハソバ(外用薬にもなる)、カタバミ(解毒、消炎、下痢止め)という薬草を見て驚きます。

菊丸が持ち合わせていた薬草こそが、駒が探し求めている薬草でした。

その薬草を近くで手に入れたという菊丸、駒に場所を教えてくれることになり、無事に薬草を調達できる見通しがたちました。

そこに、光秀の叔父・明智光安(西村まさ彦)を見舞いに来た帰蝶が到着します。

また、光秀が畑仕事をして腰が曲がってきたと聞き、それも見にきたとも言います。

帰蝶は、叔母(光秀の母)のお土産にリスを持ってきたといいます。

そのリスを捕まえるために、木に登った帰蝶、小枝で足を傷つけてしまったそうで、光秀の屋敷で駒の手当てを受けます。

美濃に伝わる「狐女房の説話」

帰蝶、駒、光秀の母・牧(石川さゆり)でお喋りし、光秀は少し離れたところにいます。

帰蝶と光秀は、従兄妹で幼なじみという設定(史実でも従兄妹という説もあります)、子供の頃の話に花を咲かせます。

そして、美濃に伝わる狐の話になります。

美濃の村人がお嫁を探す旅に出て、可愛い娘を見つけ嫁にしますが、嫁はだったという話です。

駒はその時、その夫が歌を歌う話ではないかと、歌ってみせます。

不思議そうにする帰蝶、頷きながら聞き少し違うけど、京から来た駒がどうして知っているのか聞く牧(光秀の母)。

駒はある人から聞いたそうですが、そのお方は、美濃の方ではないかと牧は言います。

これは、美濃に伝わる「狐女房の説話」の話のことで、駒が思い出したのは「狐女房の説話」の和歌です。

狐女房の説話とは、『日本霊異記』(にほんれいりょうき)に収録されてる話のことです。

狐女房の話とは、狐が人間に化けて、人間の男性と結婚する説話の全般を指す言葉とのことで、少し違う話などもあるようですが、狐女房のあらすじを書きます。

嫁を探していた美濃の男性が美女に会い、その人と結婚して男の子を授かります。

それと同時期に、飼っていた犬も子犬を出産します。

ある日、子犬に吠えられ驚いた妻は、野干の姿に戻ってしまいます。

※野干(やかん)とは狐のことです。

夫に正体がバレてしまいますが、それでも夫は妻が好きで「せめて毎晩やってきて一緒に寝てくれまいか」と言います。

野干は、夫の願いを聞き入れ暫く通ったそうです。

このことから、野干のことを「来つ寝」(キツネ)と呼ぶようになったそうです。

ある日、妻は桃色の裳を着て、上品な様子でやってきます。

そして、いずこともなく去ってしまい、どこにも居なくなってしまいます。

悲しんだ夫は、妻を偲び和歌を詠みます。

「世の中の全ての恋が我が身に降りかかってきたのだろうか、恋しさで一杯だ。あなたは、どこか遠くへ行ってしまった。」という趣旨の和歌だったそうです。

また、二人の子供である男の子は「岐都禰」(きつね)と名付けらます。

鳥のような足の速さと、力持ちな大人に成長し「狐の直」(きつねのあたえ)という称号をもらいます。

その子の姓を「狐直」と名付け、美濃の豪族・狐直たちの先祖になったという話です。

帰蝶が美濃に来た信の目的

不思議そうに駒の話を聞いていると、そこへ光秀がやってきて、帰蝶に迎えの使者が到着したことを告げます。

帰蝶は帰り際に光秀に話があると言い、夫・土岐頼純の命が絶たれた理由を知っているか、またどう思っているか尋ねます。

この話をするのが、美濃へ来た信の目的だったようです。

光秀は叔父・明智光安から聞いたといい、光秀はやむを得なかったとの見解を示します。

理由はどうであれ、土岐頼純は織田信秀と手を組み、美濃の守護であるにもかかわらず、美濃に戦火をもたらしたからといいます。

そして、夫・土岐頼純と父・斎藤道三(利政)の板挟みになっていた帰蝶の心労を思いやります。

帰蝶は光秀の思いやりの言葉に何も言わず去りますが、明智荘で何気ない時を過ごし、徐々ですが笑顔を取り戻していくことになります。

光秀は部屋に戻り、そこにいる駒と会話します。

駒は幼い頃、命を助けてくれた恩人(武士)が、美濃の話である狐の話(狐女房の説話)を知っていたことから、恩人は美濃の人かもしれないと言います。

駒は、そのお武家さまに会いたいそうですが、会える日は来るのでしょうか。

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土岐頼芸と斎藤道三(利政)

その頃、土岐頼純の叔父・土岐頼芸(尾美としのり)は、自身の屋敷で「鷹の絵」を書いていました。

土岐家は守護家として京に在住する機会もあり、芸術に優れた文化人としての顔もありました。

特に鷹の絵を得意とする土岐氏が多く、土岐頼芸もその一人で、「土岐の鷹」と呼ばれる名画を残しています。

そんな時、道三(利政)が頼芸を訪ねてきます。

土岐家は斎藤道三(利政)(本木雅弘)の主君にあたる家です。

土岐頼芸は、先代の次男ですが、先代の長男・頼武と家督を巡り骨肉の争いを繰り広げます。

そして、頼芸は一度は守護の座につくものの、頼武の嫡男・土岐頼純に守護の座を渡します。

家督争いによって土岐家は分断し衰退していましいた。

その隙をついて、道三は美濃のナンバーツーでありながら、美濃の実権を握りました。

そして、形式上のナンバーワン・土岐頼純を道三は亡き者にして、もっと操りやすい土岐頼芸に守護になるよう打診しにきたのでした。

土岐頼芸は、道三(利政)に土岐頼純を亡き者にしたなと問い詰めます。

しかし、道三(利政)は「滅相もない」とトボケ、頼純は先の戦を起こしたことを恥じに思い、自ら毒を飲んだと説明します。

それでも頼芸は、信じていない様子です。

道三(利政)は頼芸に守護の打診をしますが、守護になったら次は自分が亡き者にされると頼芸は警戒し、承知しませんでした。

道三(利政)は「操り人形に毒は盛りません」と言い、土岐頼芸の手が止まります。

土岐頼芸は、道三(利政)のことを忠臣であると信じていた時期があり、道三(利政)にとっては扱いやすい人物でした。

土岐頼芸としては、守護になったところで、斎藤道三(利政)の操り人形にすぎず、守護になる価値は感じないのでしょう。

道三は、戦で町や田畑が焼けても国衆は知らぬ顔、道三(利政)が先導してもダメだとボヤキます。

美濃を200年治めていた土岐家、没落しても威光が残ります。

道三は、美濃を復興のため頼芸の力を借りにきたのでしたが、聞き入れられず帰ることになります。

道三(利政)を憎む土岐頼芸、道三(利政)が帰ってすぐ、尾張の織田信秀(高橋克典)に、美濃へ再度兵を促す書状を送る不穏動きをします。

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斎藤義龍(高政)の出自と深芳野

頼芸は道三(利政)らが退去する際、道三の嫡男・斎藤義龍(高政)(伊藤英明)を呼び止めて、意味深長な言葉を言います。

「母の深芳野(みよしの)は元気か。我が子だと思って頼りにしているぞ。」

深芳野(南果歩)は、元々は土岐頼芸の愛妾(あいしょう)(お気に入りの妾)でしたが、道三(利政)に下賜され道三の側室になった経緯があります。

道三(利政)に下賜された翌年に義龍(高政)を生んだため、本当の父は頼芸であるとする説もあります。

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そして義龍(高政)は、母・深芳野に本当の父は誰か問いただすことになります。

義龍(高政)は、道三(利政)と頼芸のどちらが実の父か気になる様子です。

深芳野は、たわけたことであると強く否定し、そこへ道三(利政)が現れ話は終わってしまいます。

この義龍(高政)の父は誰なのかという問題は、今後大きな問題となっていくのでした。

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光秀に協力を求める斎藤義龍(高政)

駒は、医師の望月東庵(堺正章)の元へ戻り、菊丸と共に薬草を取りに行くと言い光秀と別れます。

光秀は去り、寂しそうに光秀を見送る駒の姿がありました。

義龍(高政)に呼ばれた光秀、鉄砲を預けられ、使い物になるものか試して欲しいと言われます。

義龍(高政)も道三(利政)も鉄砲に期待をしていないようで、光秀は見る目がないと嘆きます。

そこで、鉄砲の試し撃ちをしに裏山へ向かうことになりました。

義龍(高政)は幼なじみ(という設定)の光秀に話したいことがあるそうです。

義龍(高政)は、いつまで父・道三(利政)が国を治めているか分からないと思っていて、光秀にそう打ち明けます。

道三(利政)は戦には強いが、政に抜かりがあり、国衆の支持を得ていないと言います。

力で国衆を抑えつけているものの、いざという時は動かないだろうと言い、道三(利政)には先がないと話します。

光秀は己の領地のことばかり考える国衆が多く、美濃にまとまりがない、道三(利政)は土岐家の代わりは果していないと義龍(高政)に同調します。

そして土岐頼芸は、父・道三(利政)を見限り、義龍を当てにしていると言われたと話します。

義龍(高政)は土岐頼芸の気持ちに応える意思を光秀に伝え、父に代わって国を支えたい、その時は光秀に力になってもらいたいと言います。

一緒に国をまとめたいという義龍(高政)の思いに光秀は応えたい気持ちを伝え、美濃をどう変えるか話し合ってからにしようと言いながら、光秀は木の枝にヒョウタンをくくり付けます。

どうすれば良い国に、麒麟がくる国になるのかと言いながら、銃でヒョウタンを撃ち命中させ、義龍(高政)に銃の破壊力を見せます。

そんな時、織田信秀の元に土岐頼芸からの書状が届きます。

道三(利政)との戦で痛い目にあった織田信秀ですが、美濃を攻める意欲はあるようです。

そこへ、今川義元(片岡愛之助)が挙兵したとの知らせが入ります。

戦国大名の雄と恐れられ、強大な軍事力を持つ今川義元は、太原雪斎(たいげんせっさい)を大将に、三河の制圧と尾張進出を目指し挙兵しました。

その知らせを受け、織田信秀は戦支度を命じました。

束の間の平穏が訪れた美濃ですが、また戦火に遭うのでしょうか。

3話「美濃の国」の感想

相手の尾美としのりさんの演技も良かったですが、今回もモックンの演技が光りましたね。

モックンがトボケながら、道三の冷酷さ、マムシぶりを目であらわしている所が凄いですね。

元アイドルということを忘れてしまうくらいの表現力に見入ってしまいます。

道三モックンは何話まで出演するのでしょうか?

居なくならないで欲しいですね。

土岐頼芸は、土岐頼純を滅ぼしたのは道三だと思っていましたね。

当時の人達は道三を疑っていた記録が残っています。

証拠がないので、本当に道三が手を下したかわかりませんが…。

それもそのはず、美濃の国盗りに邪魔な土岐家の人間を道三は他にも滅ぼしています。

なので、今回も周囲に疑われているという描かれ方が、史実に則していて興味深かったです。

また道三と義龍に距離ができる様子の描き方も良かったです。

こうして距離ができたのかなと思えました。

駒は光秀のことが好きなようですね。

光秀が去っていく姿を好きそうな目で見つめていましたからね。

ヒロインの一人ですので、そういうことだろうと思っていましたが。

最後の光秀が義龍を支持する流れになったのは意外ですね。

後ほどの対立はどう描くのでしょうか?

話し合ってからにしようという感じでしたので、どこかでやっぱり意見が合わないのでしょうか。

光秀と義龍が、幼なじみで友人という設定は凄い発想だと思っていたので、どう描かれるのか楽しみです。

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