麒麟がくる13話のあらすじ、感想を書いています。
美濃の守護・土岐頼芸と戦を決意した斎藤道三(利政)は、頼芸が大事にしている鷹を使い策を講じます。
藤吉郎(豊臣秀吉)の初登場の回でもありますが、ひときわ目立つのは帰蝶。
夫・信長を守るため、軍師顔負けの策を講じるのでした。
斎藤道三(利政)と土岐頼芸の対立
天正21年(1552年)、美濃の守護・土岐頼芸(尾美としのりさん)を守る為、斎藤義龍(高政)(伊藤英明さん)は、斎藤道三(利政)(本木雅弘さん)と戦う決意をしました。
斎藤義龍(高政)は、実の父は土岐頼芸ではないのかと思っていたのです。
斎藤義龍(高政)の決意をを知った光秀(十兵衛)(長谷川博己さん)は、自室に籠って思い悩んでいました。
悩むあまり食事ものどを通らない様子の光秀を、妻の煕子(木村文乃さん)は心配します。
母・牧(石川さゆりさん)に相談すると、時々あることで、放っておけば元にもどるからと心配する素振りを見せませんでした。
三日以上続くようなら、その時に考えましょうと煕子に気にしないように言うのでした。
すると決意を固めたという顔した光秀が現れ、稲葉山城に行くと煕子達に言い残し、足早に去って行きました。
道三(利政)の本当の狙い
そして、鉄砲について話があると嘘をついた光秀は、斎藤道三(利政)と面会し、美濃の守護・土岐頼芸と戦をすることは愚かであると進言します。
土岐頼芸は、長年、美濃の柱として敬ってきた、源氏の流れを汲む土岐家の人間です。
土岐頼芸と戦うように命じられても、喜ぶ者はほんの僅か。
光秀自身も、ほとほと困り果てていました。
もしも、光秀が土岐頼芸に味方すれば、道三(利政)につくはずの叔父・光安(西村まさ彦さん)と、親族間で血を流すことになりかもしれません。
また、お互いに馴染みのある美濃の国衆同士で争うことになり、どちらが勝利しても遺恨が残り、美濃を一つにまとめることは難しいと訴えます。
そこで道三(利政)は、我が子・義龍(高政)はどちらに味方するのかと、光秀に聞きますが黙ってしまいます。
斎藤義龍(高政)は、土岐頼芸につく覚悟を光秀に示していましたが、道三(利政)に言えませんでした。
すると道三(利政)は、自分は周りから嫌われていることに勘づいて、機嫌を悪くしてしまいます。
また、正直に申せと道三(利政)に言われた光秀は、「どちらかと申せば嫌いでございます」と道三に対する気持ちを伝えます。
ですが光秀は、道三(利政)が堺や京へ送りだしてくれた時の話をし、見聞を広めさせてくれて、鉄砲のことも学ばせてもらい、道三(利政)に恩義があると力を込めて言います。
道三(利政)は、光秀だけでなく、光秀の父、光秀の叔父・光安など明智家を取り立ててくれた恩人。
光秀は、道三(利政)に弓を引くことが出来ないと、熱意を込めて話します。
光秀には、道三(利政)の考えが理解できず、涙ぐみます。
面倒くさいと思った道三(利政)は、初めから、土岐頼芸と戦うつもりなどなかったと白状します。
ですが、美濃は出て行ってもらうと言います。
美濃と和議を結んだ織田信秀(高橋克典さん)が亡くなったことで、同盟解消ではないものの、この先の織田家との見通しがたっていません。
今後、何が起きるかわからず、美濃は守護に頼らずとも、自分の力で歩かなければやっていけないと思っていたそうです。
国衆には覚悟が足りないと思った道三(利政)は、土岐頼芸と戦をすると煽ってカツを入れたのだと打ち明けました。
また、京の戦で鉄砲が使われたことから、道三(利政)も鉄砲を30挺くらい仕入れようと考えていました。
鉄砲組をつくる構想ですが、光秀はその指南役を打診されます。
すると光秀は、土岐頼芸追放の為に、鉄砲を使い威嚇するのではないかと困惑します。
そんな光秀に道三(利政)は、土岐頼芸には穏やかに美濃から出て行ってもらえるように、手は打ってあると言うと去っていきました。
間接的に土岐頼芸を追放する
その頃、土岐頼芸は居城・鷺山城(さぎやまじょう)にいました。
趣味だという鷹狩の衣装を得意げに身に着けていました。
しかし近習に連れられ、鷹小屋に入った土岐頼芸が見たものは、手塩にかけて育てた鷹20羽全てを亡き者にされた惨状でした。
地獄のような光景に、土岐頼芸は震えが止まりません。
そこへ、斎藤義龍(高政)がやってきました。
斎藤道三(利政)が頼芸と戦をする準備をしているという噂を聞き、総大将となる頼芸の元へ馳せ参じたのです。
稲葉良通(村田雄浩さん)、安藤守就など有力国衆達にも声をかけた義龍(高政)は、鷺山城に陣を張ると思っていました。
引きつった顔で出迎えた土岐頼芸は、動揺を必死に隠していました。
駆けつけてくれた労をねぎらうものの、土岐頼芸は身が入りません。
そして、フラッと立って足早に廊下に出ていき、用意させた馬で城から出て行ってしまいました。
父と慕う土岐頼芸を失った悲しみ
取り残された義龍(高政)は、一連の経緯を知ると激怒し、稲葉山城へ向かいます。
怒りに満ちた義龍を見た道三は、状況を推定します。
義龍(高政)は、土岐頼芸の元へ駆け付けのに逃げられた、哀れな忠義者であること。
土岐頼芸の行先は、六角定頼の所であることも見抜いていました。
怒り心頭した義龍(高政)は、道三を「お前」呼ばわりします。
義龍(高政)は、実の父は土岐頼芸であると信じていましたので、父を失った悲しみが大きく、正気を無くしていました。
すると道三(利政)は、「言葉は刃物ぞ」と低い声で威嚇しながら話します。
そして、油売りから成り上がり、美濃のマムシと呼ばれる自分こそが、本当の父であると諭すのです。
それでも、自分には土岐家の血が流れていると言い張る義龍(高政)に、母・深芳野(南果歩さん)は鏡を投げつけます。
深芳野は、父は道三だと言い聞かせながら、義龍を何度も叩きます。
そろそろ義龍に家督を譲ろうと思っていた道三ですが、まだ家督は譲れないと言うと、退室しました。
深芳野~斎藤道三(利政)の側室で義龍(高政)の生母となった女性~
今川領に行く藤吉郎
その頃、望月東庵(堺正章さん)と駒(門脇麦さん)は、今川領・遠江(静岡県西部)の関所で通行止めにあっていました。
駿河(静岡県中部)の兵が、三河(愛知県東半部)に向かって進軍していた為、一般の人は通れなかったのです。
望月東庵は、織田信秀とスゴロクをする為に、駒を連れて尾張に行きましたが、信秀が亡くなってしまい、40貫もらうところを5貫で手を打っていました。
そして、100貫を用意してくれるという、豪商がいる駿河へ向かっていたのです。
駒は、尾張に行ったついでに美濃に寄ろうと思っていましたが、帰蝶から光秀が結婚したことを聞いて気分が塞いでいました。
なので、美濃には行かず、東庵と共に駿河をを目指していました。
すると関所の前で、たどたどしく書物を読む、男性を見つけます。
行商の身なりをしたその人は、吉田兼好の『徒然草』を、懸命に読んでいました。
寺の和尚に字が読めなければ出世できないと言われた為、本を読んで学んでいると苦笑いします。
世の中のありさまに明るいこの人こそ、藤吉郎(佐々木蔵之介さん)、後の豊臣秀吉です。
藤吉郎(豊臣秀吉)は、この関所にいる今川義元(片岡愛之助さん)の軍勢は、松平家の三河を固める為で、尾張侵攻の足掛かりだろうと分析します。
信秀が亡くなり、尾張の後継者の信長は、織田一族で争いを初めていました。
うつけ者といわれる信長は、足元を見られていたのです。
この内輪もめに乗じて、今川義元が織田家を、勢力下に収める可能性が高くなっていました。
そして藤吉郎(豊臣秀吉)は、勢いのある今川家の城下町へ行き、一旗揚げようと熱意を語ります。
平手秀政の自害と道三(利政)の要望
天文22年(1553年)、信長(染谷将太さん)の傅役で家老だった、平手秀政(上杉祥三さん)が切腹しました。
同族の織田彦五郎、織田信安が、信長に対し敵意に燃えていて、平手秀政は手なづけようと出かけたそうですが、結果自害してしまいました。
平手秀政は自害することで、両者に誠意を見せようとしたのではないかと、信長は慮ります。
ですが、それで懐柔されるような両者ではありませんでした。
今の信長は、孤立無援状態。
そこへ、帰蝶の父・斎藤道三(利政)から、信長に会見を希望する文が届いていました。
婿と舅の関係ですが、実現すれば初対面です。
しかし、織田信秀が亡くなって時が経っていません。
美濃のマムシ・道三(利政)が、尾張を手に入れるには絶好のタイミング。
信長は、自分を亡き者にし、尾張を配下にしようとする、道三(利政)の奸計ではないかと勘繰ります。
なので、信長は断ろうとしますが、帰蝶(川口春奈さん)は応じなければ、和議は破棄され、自分は美濃へ戻らないといけなくなると問い詰めます。
マムシの娘・帰蝶
帰蝶は、父・道三(利政)の思い通りにはなるまいと、考えを巡らせていました。
信長の父・信秀が贔屓にしていた伊呂波太夫(尾野真千子)に、協力してもらえないかと思っていたのです。
伊呂波太夫は、紀伊の根来衆(ねごろしゅう)や国衆と縁があり、傭い兵を集めることが出来、信秀も依頼し金銭で兵を雇ったことがありました。
根来衆とは、鉄砲で武装した僧兵のことですが、帰蝶には考えがあるようでした。
そこで帰蝶は、信秀の弔いの為、尾張に来ていた伊呂波太夫に会いに行ったのです。
帰蝶の依頼は、戦の為の兵を直ぐに集めて欲しいということでした。
強い根来衆の兵で、鉄砲の数も揃えたいと依頼すると、急ぎでは無理ではないかと難色を示されます。
すると、砂金の入った沢山の袋を、伊呂波太夫の前に置き、砂金も出して見せ「手付じゃ」と言いました。
光秀に同行を求める道三(利政)
場面は変わって稲葉山城。
光秀と叔父・光安は稲葉山城に登城し、道三(利政)と対談していました。
道三(利政)は、婿・信長と尾張の聖徳寺で、対面することを二人に告げます。
替え玉が来る可能性を考えた道三(利政)は、信長の顔を知っている光秀に同行を求めます。
道三(利政)は、自身が信長なら、お茶に毒が入っているかもしれないと思うと言います。
信長に毒は盛らないと言う道三(利政)ですが、織田彦五郎の遣いが来て互いに手を結び、信長を亡き者にしないかと誘われていました。
道三(利政)は、信長に会ってからだと返事をしたそうです。
帰蝶から光秀に信長を頼むと書かれた文が届いていて、光秀は意味が分かったと光安に言います。
帰蝶と道三(利政)の戦
天文22年(1553年)、対面の日がやってきました。
信長の服装は、帰蝶が用意していました。
父・道三は、古い物より新しい物が好きで、また美しい物も好きであるという好みから選びました。
これは父との戦であるという帰蝶を、信長は戦を横取りするつもりかと嬉しそうに言います。
一方の道三は、聖徳寺近くの富田で、信長を待ち伏せます。
光秀に本当に信長か確認させ、つまらなそうな男であれば、聖徳寺を800の兵で囲んでしまおうと考えていました。
織田の軍隊が現れ、300挺もの鉄砲を持った兵隊に、道三の目は釘付けになります。
軍隊の後ろの方には、馬に揺られた信長の姿が見えます。
本来は入浴時に着用する湯帷子(ゆかたびら)を着て、袖は自分で短く切っていました。
これは、信長のいつもの「うつけ」ファッション。
髪も茶筅髷といううつけの髪型です。
その上、何かを食べながら、やってきます。
道三、光秀とも言葉は発せず、目を奪われていました。
いつもの信長のうつけファッション、髪型、行動については別の記事に書いています。
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史実上の聖徳寺の話、道三と信長についてはこちらです。
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斎藤道三(利政)と織田信長の関係や聖徳寺の対面、遺言について
麒麟がくる13話の感想
今回も光秀は影が薄かったですね。
この頃の光秀の足跡は、史実上では明らかになっていませんので、光秀から見た戦国を描いているのでしょうか。
冒頭で光秀が、主君・道三に「どちらかと言えば嫌い」と言っているのが印象をでした。
道三の土岐頼芸に対する報復の仕方が、流石マムシだなと思いました。
美濃で200年に渡り敬われていた土岐家と戦するより、自分で出て行ってもらったほうが遺恨が少ないと思ったのでしょうか。
それにしても、大事にしていた鷹を…、さぞかしショックだったでしょうね。
土岐家の血が流れていると譲らない高政のダメっぷりも際立ったように思いました。
「言葉は刃物ぞ」という道三の威圧感、目力が凄かったですね。
高政演じる伊藤英明さんは、岐阜県出身で齋藤道三のファンだと仰っていましたが、道三と対立する高政をどんな思いで演じているのでしょうか。
母・深芳野に対する態度も酷かったですね。
血気盛んな高政に対し、妹の帰蝶の聡明さは際立ちましたね。
父の道三に利用されている点は同じなのに、帰蝶の器の大きさが現れたように感じます。
12話で、信秀に「信長をよろしく頼む」と言われた辺りから、信長の嫁として生きていくと覚悟を決めたように見えます。
伊呂波太夫とのやり取りで砂金を見せつける様は、あんなに可愛い人だったのに、やはりマムシの娘なんだなと思いました。
聖徳寺の会見での鉄砲隊、服装も帰蝶のプロデュースとは、女軍師・帰蝶という感じですね。
頼るように帰蝶の手を握る信長のシーンもあって、史実ではハッキリしてませんが、ドラマの中だけでも仲睦まじい姿を見れて嬉しく思いました。
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