麒麟がくる17話のあらすじ、感想記事です。
ついに斎藤道三と義龍(高政)父子の戦いは避けられなくなり、長良川の戦いが開戦します。
明智光安と明智光秀は、道三に味方する決意をし、戦場へ向かいます。
居ても立っても居られない織田信長は、道三の救援に乗り出し進軍するという展開。
やがて訪れる明智城の危機とは。
斎藤道三だけでなく、明智光秀、明智光安、牧、藤田伝吾など、それぞれの役者が光る神回でした。
道三側につく決意をする光秀
弘治2年(1556年)、斎藤義龍(高政)(伊藤英明さん)と戦う覚悟を決めた斎藤道三(本木雅弘さん)は、大桑城を出て兵を率いていました。
道三が目指す場所は、鶴山(つるやま)、岐阜城の北方約4キロメートルに位置する丘陵です。
明智光安(西村まさ彦さん)は、どちらに味方するべきか悩んでいましたが、今まで明智家を取り立ててくれた道三と共に戦う決意をし、鶴山を目指していました。
その頃、明智光秀(十兵衛)(長谷川博己さん)も戦支度を整えていました。
側近・藤田伝吾らが揃ったことを確認した光秀は、叔父・光安と行動を共にすることを宣言します。
敵は、光秀の学友・義龍(高政)。
光秀は家臣を引き連れ、決意を固めた様子で、鶴山へ向かいました。
道三の救援に出向く信長
その頃、尾張の清州城。
織田信長は、扇子で自身の脚を叩きながら、歩き回っていました。
舅の道三が、鶴山に着く頃だと思い、落ち着かなかったのです。
一方の帰蝶は、静かに写経をしていました。
道三に勝ち目はないと思った帰蝶は、越前に逃れるよう取り計らっていたのです。
にも関わらず拒否し、義龍(高政)と戦する道を、道三は選びました。
道三に愛想をつかしていてた帰蝶は、道三の身を案ずる信長に、放っておけば良いのだと言い放ちました。
帰蝶は、負け戦と分かっていながら巻き込まれるのは愚かであり、道三の自業自得だと思っていました。
ですが信長は、戦略次第でなんとかできるのではないかと考え、道三を救出しに行こうとします。
道三の軍勢は僅か2000、義龍(高政)の軍勢は12000を超える大軍です。
帰蝶は、兵力の差を信長に突きつけて止めますが、信長は扇子を床に投げつけると、サッサと出て行ってしまいます。
帰蝶は泣きそうな顔で信長を見送り、愚か者ばかりだと怒りながら、写経した紙を握りつぶすと投げつけるのでした。
長良川を挟んで両軍が対峙する
一方の美濃では、斎藤家の居城・稲葉山城の麓を流れる、長良川を挟んで両軍が対峙していました。
長良川の南側に義龍(高政)は陣を構え、北側の河原に道三の陣がありました。
道三は義龍(高政)の陣のある方を見ながら、風流踊りの歌を口ずさんでいます。
以前、作戦で劣勢から形成逆転した戦(井ノ口の戦い)でも、口ずさんだ歌詞でした。
そんな道三の近くで、重臣達が盛んに議論をしながら、戦略を練っていました。
一方、義龍(高政)の陣、長良川の図面を広げて、河原の石ころを人に見立て戦略を練る義龍(高政)は、浮かない顔をしています。
一番槍を志願する竹腰道鎮
そこへ稲葉良道(村田雄浩さん)が近習を連れてやって来て、竹腰道鎮(たけのこし どうじん)が600の兵で一番槍を任せて欲しいと申し出ているという話でした。
一番槍とは、最初に先陣に駆け込む、勇気のいる役目です。
義龍(高政)は、竹腰道鎮の申し出を許可すると、自身は二番槍として続く意思を示しました。
義龍(高政)が直々に出馬することで、早く決着をつける意図があったのです。
道三側の兵は、今は敵とはいえ、つい最近までお酒を飲み交わした仲です。
義龍(高政)の顔を見れば、降参するかもしれないと稲葉良通は言います。
道三を生け捕りに
稲葉良通が気になっていたのは、道三の始末をどうするかでした。
すると義龍(高政)は、道三を生け捕りにするよう言いつけ、親殺しは聞こえが悪いと思っていた稲葉も同意します。
また稲葉良通は、道三が僅か2000の兵なのに、平地で戦に臨むことを不思議に思っていました。
そんな時、信長が尾張と美濃の境・大良(おおら)に到着したとの知らせがもたらされます。
そこで義龍(高政)は、信長が道三と合流する前に、叩き潰すように命じるのでした。
義龍(高政)がずっと浮かない顔をしていたのは、明智一族の姿が見えない為でした。
稲葉良通は、明智一族の参陣がないのは、道三側に寝返った為ではないかと言います。
怒りがこみ上げてきた義龍(高政)、図面上の石ころをつかむと、力一杯地面に投げつけたのです。
長良川の戦いが開戦
早朝、長良川を挟んで北に道三軍、南に義龍(高政)軍が対峙し、戦いの火蓋が切られました。
川を渡った義龍(高政)軍の竹腰道鎮が、先陣を切って道三軍に突撃。
同じころ、光秀は藤田伝吾らを引き連れ、川に続く道を馬で走っていました。
そこに、行くてを阻むように立ち塞がった、義龍(高政)軍の守備兵。
突破しようとした光秀らと戦闘になりますが、藤田伝吾に任せて光秀は先を急ぎます。
先を進む光秀は、桔梗紋の旗を掲げ戦闘している軍勢見つけました。
その中に、叔父・明智光安の姿を発見した光秀は駆け寄ります。
光秀と光安は、この河原付近には敵が沢山いて道三に合流するのは難しいと判断し、敵が比較的少ない川下へ行き川を渡ろうと考えました。
ですが次の瞬間、光安の顔が歪み、脚を手で押さえます。
光安は脚を斬られ深手を負ってしまったのです。
光安を案ずる光秀に、先に道三と合流して、何が何でも道三を助けるよう言いつけます。
すると光秀は、家臣に叔父を任せ、僅かな手勢を率いて下流へ向かって行くのです。
長良川の戦いの勝敗が決まる
道三が劣勢と見られた戦いですが、一進一退の攻防が続き、道三軍が僅かに押しているように見えました。
しかし、大軍勢を引き連れた義龍(高政)が、河原に迫ると状況は逆転していったのです。
義龍(高政)自ら、道三軍を切り崩し、勝敗は決しました。
道三は仁王立ちしながら、戦闘を睨んでいますが、多勢に無勢で道三軍は、次々と逃げ散ります。
道三の側近達は、落ち延びるように進言しますが、道三は遠く一点を睨んで少しも動きませんでした。
道三の目線の先にいたのは、重臣達に守られながら指揮を執る義龍(高政)です。
義龍(高政)の居場所を確認した道三は、鋭い目で家臣を見ると、馬を引くように命じます。
道三と義龍(高政)の一騎打ち
一方、光秀は人の少ない川を渡って、道三の元へ行こうと必死に馬を走らせていました。
ですが、光秀が到着するより前に、道三は槍を持ち、重臣達に守られた義龍(高政)の目指して駆けて行きます。
道三は単騎で乗り込むと、名乗りをあげます。
予想外の事態に義龍(高政)の重臣達は慌てながらも、隙間なく並んで槍を並べ(槍衾)(やりぶすま)、道三を牽制します。
すると、道三は馬から降りて、義龍(高政)一騎打ちを申し出たのです。
義龍(高政)は、往生際の悪い道三に苦笑いしますが、槍衾を作っている家臣を下がらせます。
すると直ぐに、槍を持った道三が義龍(高政)目掛け突撃してきました。
義龍(高政)は道三と槍を交えながら、「命まではとらぬ」と負けを認めるよう促します。
道三は己を偽り、周囲を欺く者には屈しない意思を示すと、「父の名を申せ」と挑発するように叫びました。
それでも義龍(高政)は、土岐源氏の棟梁・土岐頼芸の子であると笑います。
本当は成り上がり者・道三の子だとわかりながら、土岐頼芸の子だと飾っていると道三は指摘します。
皆を騙して美濃をかすめ取る、醜い高政だと言い、義龍(高政)目掛けて突進。
ですが、義龍(高政)の兵の槍に刺された道三は、瀕死状態で義龍(高政)に近づき倒れ込みます。
義龍(高政)の腕の中で、「勝ったのは道三じゃ」と言いながら、息絶えました。
斎藤義龍(高政)の生涯と斎藤道三(利政)と長良川の戦いに至る経緯
光秀に機会を与える義龍(高政)
敵に捕まった光秀に気が付いた義龍(高政)は、裏切った光秀に機会を与えるとして、政を助ければ過ちを許すと言います。
光秀は嬉しくなさそうな様子で、義龍(高政)の本当の気持ちを、本当の父は誰と思っているか問います。
それでも、土岐頼芸の子だと義龍(高政)は言います。
光秀は、土岐頼芸を立派な人だと思ったことが無かったそうですが、道三のことは立派な主君だったと言います。
そして「お主には組せぬ」と義龍(高政)に答えたのです。
明智城は攻め落とすと宣戦布告をし、義龍(高政)は去って行きました。
伊呂波太夫、美濃へ
一方、清州城の帰蝶にも道三の訃報は届いていました。
悲しみにくれますが、信長の無事に安堵もしていました。
帰蝶は暫く悲しみ、隣の部屋に控えていた伊呂波太夫(尾野真千子さん)に美濃へ行って欲しいとお願いするのでした。
明智荘を目指す駒と菊丸
その頃、駒(門脇麦さん)と菊丸(岡村隆史さん)は、明智荘を目指して旅立っていました。
駿河から尾張と美濃の国境まで来ましたが、美濃で戦が起きたと聞いた駒は、じっとしていられない心境になっていたのです。
しかし菊丸は、戦のある美濃へ駒を連れていきたくないと思っていましたが、駒が進むのでついて行くしかないという感じです。
明智城の危機と光安との別れ
その頃、明智城。
光秀が泥まみれになりながら、戦場から戻ると光安の無事を確認し、安心していました。
光安も光秀の姿を確認し安堵すると、明智家当主の座を譲りたいと言います。
これから義龍(高政)軍3000が攻めてきますが、明智城の兵は300弱。
兵数の差から戦にならないと考えた光安は、全員で討ち死にしては、明智家が途絶えると憂います。
光安は自身の兄で光秀の父・光綱から、いずれは光秀を立てて、明智家の血を途絶えないようにして欲しいと言われていたのです。
そう話すと、光安は光秀に明智家の大将が持つ「四半旗」という旗印を渡します。
固い表情の光秀に光安は諭します。
城を失うのは辛い、でも明智家が滅びるのは座視できないと。
落ち延びて、明智家の主として再び城主になって欲しい、父・光綱の言葉と思って欲しいと言います。
光安は、光秀なら出来ると励ましながら、光安の息子・左馬助も加えてもらえたらと願います。
左馬助からも逃げるようお願いされますが、藤田伝吾など家臣はどうなるのか光秀は気になります。
すると、光安は落ち延びるよう命じたと言い、元は百姓だから槍を捨てれば、義龍(高政)も斬りはしないだろうと光安は考えていました。
そこへ、敵が近くまで迫ってきていると急ぎの知らせが入ります。
光安は、光秀と左馬助に急いで脱出するよう促します。
光秀の「叔父上は?」という問いに「ワシも後から行く」と答えます。
光安は明智城の最期を見届けたら、追って行くと言うと涙ながらに別れました。
先祖代々の地・明智荘
光秀が館に戻ると、母・牧、妻・煕子は籠城の準備を整えていました。
ですが、光安の命令であるとして、落ち延びる旨を伝えます。
先祖代々守ってきた地を離れたくないと思った牧は、ボーゼンとしていました。
そこへ、藤田伝五ら家臣達がやってきて、光秀ら明智家の人間に今までのお礼を伝えます。
そして、田や畑を持ってはいけないから、光秀のお供ができず詫びます。
光秀も皆に挨拶し、皆、無念の余り涙を流します。
光秀が「また会おう」と言い落ち延びようとすると、母・牧はここに残ると言います。
牧は、亡き夫が大切にした土地で息絶えるのであれば、本望だと思っていました。
しかし、牧が残るなら、光秀、煕子、女中も残ると言います。
困った牧に藤田伝吾が背中を押します。
藤田伝五は気持ちは同じと牧に理解を示し、皆で明智荘を10年20年…守って行こうと思っていると伝えます。
大方様(牧)が戻ってきた時に、変わらずにあるので、また見れるように、しばらく旅に出て欲しいと言います。
牧は涙ながらに、落ち延びる決意をしたのです。
そこへ義龍(高政)軍が迫り、城門に火のついた矢を放ちました。
麒麟がくる17話の感想
帰蝶が越前に逃げられるよう手配していたのに、負けとわかりながら出陣した道三に武士の意地を感じました。
一騎打ちという流れは意外に思いましたが、高政に「父親殺し」の汚名を着せて亡くなる所は、マムシらしいと思いました。
道三は戦国時代とはいえ、本当に悪党だと思っていましたが、麒麟がくるを見ていたら、道三なりの哲学があったのかもしれないと見方が少し変わりました。
いずれにしても、こんなにカッコイイ道三は、もう見れないかもしれませんね。
モックン道三ありがとうございました。
高政から見たら、光秀は裏切り者ですが、一度チャンスを与えました。
なのに、逆に光秀から突き放されましたね。
道三の誇りは「土岐様にもお主(高政)にも無い物だった」と。
視聴者としてはスッキリしましたが、凄い勇気ですね。
その場で光秀を打ち首にしなかったのは、高政にまだ情があったからでしょうか。
「高政軍に攻められ明智城は落城した」という史実から、麒麟がくるで二人が学友という設定に慣れませんでした。
ですが、最後対立したからといって、最初から仲悪いとは限りませんものね。
観ているうちに、始めは仲良かったかもしれないと思えるようになりました。
また、父を失い悲しみながらも、明智家の落ち延びる道を手配する帰蝶は賢いですね。
ヒロイン三人の中でも、毎回一際、輝いているように思います。
前半は道三との別れ、後半には光安との別れが待っていましたね。
戦国武将らしくなく、穏やかで和ませてくれた光安。
光安は道三の義兄で、高政に亡き者にされた孫四郎、喜平次の伯父ですので、当然の選択かもしれません。
また、道三に組することを決めた時に、覚悟はしいていたと思います。
頼りない光安に思えましたが、忠義の武士でした。
光秀らの後を追うからと言いつつ、盾になる覚悟をしてましたね。
通説上の光安も同じで、兄から家督を一時的に譲られ、光秀に家督を譲り落ち延びさせ、自身は城を枕に命を散らしています。
戦国時代なら、光秀に毒でも盛って、自身の子供に家督を譲りそうに思い、光安みたいな人もいたのねと思っていました。
光安は大切にしていた明智家を、自分の命を懸けて守ろうとしたのが伝わってきました。
光秀に明智家再興を託しつつ、「できることならば」と控え目に息子・左馬助のことも頼む。
西村まさ彦さんの名演技でしたね。
また、明智荘を離れないと激しく抵抗しながら、旅に出る決意をする牧役の石川さゆりさん。
歌手でありながら素晴らしい演技に思いました。
牧を諭す藤田伝吾の熱演も良かったですね。
光秀は家臣らに、また会おうと言っていましたが、藤田伝五とはまた会いますので、また会えるんだよと心の中で思っていました。
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