麒麟がくる5話「伊平次を探せ」のあらすじ、感想記事です。
まだ、見ていない方は、ネタバレを含んでいます。
鉄砲の威力を目の当たりにした斎藤道三(斎藤利政)、将軍も鉄砲にご執心と知り、鉄砲に興味を持ちます。
鉄砲の構造を調べるため、伊平次探しの旅に出る明智光秀(十兵衛)、その過程で足利義輝、三淵藤英、松永久秀にも再会します。
伊平次を探す旅に出る
天文17年(1548年)、斎藤道三(本木雅弘)(敬称略)は、明智光秀(長谷川博己)に教わりながら、鉄砲の練習をしていました。
斎藤道三(利政)は、標的に見立てた水瓶に見事命中させ、鉄砲の衝撃音、鉄砲の音に驚きます。
そして道三(利政)は命中したことに気が付いて大喜びしますが、鉄砲を眺めながら、鉄砲の恐ろしさを感じていました。
同じ飛び道具といえば弓矢ですが、鉄砲は弓矢以上の破壊力があるのは明らかでした。
ですが当時の鉄砲は、撃つまでに時間のかかるものでした。
光秀は鉄砲に魅力を感じつつも、この用意にかかる時間の長さが気になっていました。
実践で使用したら、弾を準備している間に、敵が攻め込んでくるかもしれません。
その上、弾の発射に必要な火薬(玉薬)は、堺でしか手に入りません。
しかし、光秀と道三(利政)は、将軍・足利義輝(向井理)が本能寺に命じ、鉄砲を作らせているとの情報を得ていました。
そして道三(利政)は、何故、将軍家が鉄砲に熱心なのか知りたいと言い、光秀を睨んで去って行きました。
光秀は、道三(利政)から鉄砲のことを調べる課題を与えられたと感じ、思い悩みます。
そこで光秀は、鉄砲の仕組みが知りたいと思い、家臣の藤田伝吾(徳重聡)を呼びつけます。
藤田伝吾に、鉄砲をバラバラにして中を見てみたいと話します。
藤田伝吾は、鍛冶屋の「よし三」(よしぞう)と親しく、美濃の関の刀工・孫六兼元(まごろくかねもと)の弟子だと言います。
(※美濃の関とは、鎌倉時代から名刀の産地として栄えた町です。)
光秀は刀鍛冶なら、鉄砲を開けるくらいはできるのではないかと考えていました。
そして藤田伝吾は、よし三から聞いた鉄砲の話を光秀に話ます。
以前、明智荘にいたという伊平次(いへいじ)(玉置玲央)について、藤田伝吾は話出します。
光秀も知っている人物のようですが、誰か分からないという感じで聞いています。
伊平次は鍛冶屋になりたいと思い関に行ったものの、酒癖の悪さから長く続かず、近江の国友村へ行きついたそうです。
そして、国友村で鉄砲を修理したり、製造してりしているという噂を耳にしたそうです。
光秀は、美濃から国友村なら3日で行けると考え、伊平次を探しに行くことにしました。
※伊平次は、麒麟がくるのオリジナルの登場人物のようです。
駒の恋心
その頃、京に帰ることになった駒(門脇麦)(敬称略)は、光秀と光秀の母・牧(石川さゆり)に挨拶するために、明智荘に向かっていました。
望月東庵(堺正章)が、無事に尾張から帰ってきたので、駒と共に京へ戻るようです。
駒を一人で明智荘まで行かせるのは危険だと案じた望月東庵は、お供に菊丸(岡村隆史)をつけていました。
菊丸は寝違え首を痛くした為、早く歩けず駒についていくのが大変なようですが、望月東庵から危険だから駒を一人で行かせないようにと申し付けられていました。
駒は、早く歩けない菊丸にいら立ち、置いて行こうとしますが、菊丸は必死について行きます。
しかし、駒が光秀の屋敷に着いた時、光秀は国友村へ旅立った後でした。
牧が対応してくれて、今朝旅立ったばかりだと言います。
駒は光秀が居なくてガッカリし、稲葉山城に戻ろうとしますが、本当は京へ帰りたくないと駒に打ち明けます。
駒は光秀に恋心を抱いていました。
また、駒は戦争孤児、京へ帰っても親族はいません。
育ての親の東庵はいるものの、京は戦火で町を焼かれ荒廃しており、戻っても戦ばかりで不安に思っていました。
ですが、駒は牧に慰められ京へ帰るしかなく、屋敷の外で待っている菊丸の元へ戻って行きました。
菊丸は光秀が留守だったと聞き、挨拶できずに美濃を去る駒の気持ちを思いやります。
菊丸は、もう光秀と会えないかもしれないと駒を心配しながら、駒の後をつけ稲葉山城へ戻っていきます。
駒は、仕方ないと自分に言い聞かせ、泣きそうになりながら、いつかお会いできると帰って行くのでした。
国友村から京へ
一方の光秀は、国友村にある鍛冶屋に着きました。
鍛冶屋の鶴平に、美濃の関の刀工・孫六兼元の紹介状を出し、鶴平に鉄砲について教えて欲しいと願いでます。
ですが鶴平は、頭を下げて光秀の願いを断ります。
将軍・足利義輝から直々に、口外しないよう命令があり、鉄砲のことは誰にも教えることはできない、容赦いただきたいと言います。
将軍からそのような命令があったことに、光秀は驚きを隠せません。
その上、伊平次にも会えず光秀は肩を落とし、落ち込むのでした。
落ち込みながら帰る光秀、裏手に出たところで鶴平の近くにいた若手の鍛冶屋に呼び止められます。
光秀の持つ金と引き換えに、伊平次の情報を教えてくれました。
伊平次は京の本能寺に行けば、会えるかもしれないと言うことでした。
伊平次は、鉄砲作りの腕をかわれて、本能寺で養われているそうです。
光秀は美濃へ戻り、稲葉山城に登城し、道三に京へ行かせて欲しいと願い出ます。
度重なる光秀の京行きに道三は不満気味ですが、道三の命令に従い鉄砲のことを調べるためと強気に旅費の負担も願い出ました。
光秀、義輝、藤孝は「鹿島の太刀」
当時の今日は、度重なる戦で荒廃し、僧侶や公家、将軍まで京を離れているという状況でした。
ですが、幕府の官領で有力大名でもある細川晴元(国広富之)(敬称略)によって、将軍・足利義輝は京へ戻されていました。
室町幕府の権威は落ち、将軍を凌ぐ権力を持っていた細川家ですが、細川晴元の家臣・三好長慶(山路和弘)、長慶の家臣・松永久秀(吉田鋼太郎)が台頭し晴元の地位も不安定になっていました。
そのような不安定な情勢の中、光秀は京へ到着しました。
本能寺に着いた光秀ですが、見張りがいて物々しい雰囲気であり、立ち入り禁止になっていて入れずにいました。
噂で足利義輝が立ち寄っていると聞き、光秀は気になっていました。
ですが、諦めて帰ろうとした時、細川藤孝(幽斎)(眞島秀和)に呼び止められます。
藤孝は、光秀の鉄砲が気になっている様子です。
当時、鉄砲は手に入りずらい物、盗んだのか、又は本能寺で将軍を撃とうとしているのかと疑います。
藤孝は光秀の鉄砲を取り上げようとしますが、光秀は腹を立て、その場を去ろうとします。
藤孝は光秀の前に立ちふさがり刀を抜き、光秀も構え緊迫した雰囲気になります。
少し刀を交えたところで、将軍・足利義輝が現れ、二人を仲裁します。
光秀の太刀裁き見て、「鹿島の太刀」(かしまのたち)であることを見抜き、褒めたたえます。
そして藤孝も同じ流派、仲間同士での争いは避けるよう藤孝に言いつけ、義輝は去って行きました。
「鹿島の太刀」とは、剣術の流派の一つで、常陸国の鹿島神宮を中心に発展しました。
戦国時代では、塚原 卜伝(つかはら ぼくでん)が鹿島新當流(かしましんとうりゅう)を開き、剣術を指南した弟子に足利義輝、細川藤孝の名前も見えます。
光秀が「鹿島の太刀」であったとは伝わっていませんが、麒麟がくるでは「鹿島の太刀」ということになっているようです。
そのすぐ後に、以前、鉄砲を求め堺に行った時に、出会った三淵藤英(谷原章介)に再会します。
三淵藤英は、細川藤孝の実の兄という関係で、弟の非礼を光秀に詫びます。
藤孝は気まずそうに光秀に近づき挨拶をし、光秀の太刀の腕前を認め、目立つから京で鉄砲は持ち歩かない方が良いと意見し去っていきました。
三淵藤英は、光秀に鉄砲は松永久秀に頼んで手に入れた物かどうか聞き、光秀は見抜かれたことを驚きながら認めます。
三淵藤英は、ちょうどこれから松永久秀に会いに行くところだと言い、久秀のところへ共に行こうと促します。
光秀は久秀にお礼を言いたいと思っていましたが、伊平次を探すために京へきたので躊躇します。
光秀は伊平次に会う為に本能寺に行くと断りますが、三淵藤英から国友村から来た伊平次なら、先月以降、行方が分からないと言います。
三淵藤英も伊平次を探しているそうですが、居場所が分からないそうです。
光秀は困惑しますが、伊平次が行方不明では次行く当てもなく、三淵藤英に同行することになりました。
松永久秀に鉄砲の意味を教わる
三淵藤英に連れられ、松永久秀の屋敷に来た光秀。
久秀屋敷は見張りが多く、物々しい雰囲気の中、松永久秀の元へ向かいますが、お灸を据えている最中でした。
松永久秀は、しゃっくりが止まらず、お灸を試していたと三淵藤英と話しています。
松永久秀は、光秀のことを忘れている様子でしたので、光秀は、堺で鉄砲を用立ててもらった話をし名乗ります。
久秀は、光秀の主君・斎藤道三を尊敬しているようで、光秀のことを直ぐに思い出しました。
三淵藤英は、伊平次に会いに来た光秀と、本能寺前で偶然会ったと久秀に話します。
その話を聞いた久秀は、山城守様(斎藤道三のこと)も戦に備えて、鉄砲を用意するつもりだと思います。
光秀は否定しますが、久秀自身も三淵藤英も、鉄砲をできるだけ多く揃えたいと思っていて伊平次に作らせようと思ったのに、伊平次が見つからないと言います。
三淵藤英は、足利義輝を含め自身も、鉄砲を多く所持しようと思っていないと言いますが、久秀は笑い信じようとしません。
松永久秀の主君・三好長慶、三好長慶の主君・細川晴元は、足利義輝(公方様)が戦で鉄砲を使うつもりであると読み、次の戦では鉄砲を使うと決めているそうです。
それでも頑なに否定する三淵藤英に、久秀は去年まで戦火を交えた細川晴元とまた戦になった時に備えたいのだろうと言います。
三淵藤英は、その過去の戦があったから、共に兵力などを五分とし、共にこの都で生きていく道を模索し、こうして会いに来てもいるといいます。
その言葉を聞いた久秀は、では鉄砲100丁を上限として持つのはいかがかと提案しますが、断られてしまいます。
三淵藤英はまた出直すと言い、二度と都で戦をするつもりはないと言い残し去っていきました。
光秀は残り、久秀の屋敷にあげてもらいます。
久秀は尊敬している斎藤道三(山城守)に、光秀は信頼されていると考えており、光秀に親しげに話します。
光秀は、鉄砲の使いずらさから戦に向いている武器に思えず、久秀に何故、足利義輝が本能寺に作らせてまで用立てたいのか分からないと言います。
それを聞いた久秀は、光秀も自身も鉄砲の弾が当たれば、鉄砲の威力は分かっていてると言いながら、光秀に銃口を向けます。
そこで、動けば撃つと脅し、銃口を向ければ相手の動きを封ずることができると言いながら、弾の入っていない引き金を引いて光秀を驚かせます。
久秀は、戦をする相手が鉄砲を沢山持っていると分かれば戦を止める、鉄砲を持つことで戦を減らせる、三淵藤英も気が付いていると言います。
そして、松永久秀も戦が嫌いだと言う言葉に、光秀は安堵し鉄砲の意味も少し分かったと言います。
ですが、平穏な暮らしはもう少し先になりそうだと久秀は言い、伊平次に会いに行こうと言い出します。
念願の伊平次に会う
久秀は、三淵藤英に内緒で伊平次の居場所を突き止めていました。
そして伊平次のところに行き、久秀は伊平次に20丁で良いから作って欲しいと言います。
伊平次の作る鉄砲は、渡来の物の様に良く、その上安いと、お代を上乗せしてお願いしました。
しかし伊平次は、鉄砲を作ると大名同士のゴタコタに巻き込まれて、面倒だからと断ります。
伊平次に説得の余地は無さそうに見え、久秀は困っていました。
その頃、伊平次の顔を光秀が覗き込みます。
昔、藤田伝吾の家の井戸に落ちたことがあるそうで、光秀が縄を投げて助けたそうです。
伊平次は命の恩人に会って嬉しそうに挨拶をし、光秀も懐かしみます。
そして伊平次は、光秀が鉄砲を所持していることに気が付きます。
伊平次は堺の渡来物と直ぐ見抜き、光秀は鉄砲の仕組みを知りたいので、バラバラにして欲しいと願います。
伊平次は、直ぐできると快く行き受け、道具を取りに寺に向かうことになりました。
光秀と久秀は、伊平次が席を外した隙に、離れたところに行き二人で話します。
光秀は自分の用を先にしてしまい、久秀に悪いと思っていました。
一方の久秀は、光秀が頼めば伊平次は、鉄砲20丁作ってくれるのではないかと期待していました。
そう言う久秀の言葉に啞然とする光秀ですが、久秀はいずれ大名になる、そしたら溢れる恩を返すと言い、光秀に押し付けて居なくなってしまいました。
そして、光秀と伊平次は外へ出て、光秀の後ろ姿を、帰京した駒が見つけますが、光秀が京に居るわけはなく、見間違えかと先を行きます。
その頃、光秀も何かを感じとりますが、気のせいかと先に進みます。
「伊平次を探せ」の感想
麒麟がくるの前半のキーワードの一つは鉄砲のようで、毎回のように鉄砲の話題が出てきますね。
明智光秀が鉄砲の名人だったという逸話に重ねているのかもしれません。
まだ普及していなかった頃に鉄砲に目を付けたという、先見の明がある賢さを演出しているのかもしれないと思いました。
麒麟がくるに描かれていたように、当時の鉄砲は火縄銃と呼ばれるもので、撃つまでに時間がかかっていたようです。
①鉄砲に火薬を詰める
②弾丸を棒を使い押し込む
③火皿に点火薬をいれる。
④撃つ
ここまで、熟練者で1分かかるそうです。
当たるか分からない一発に1分…確かに弾を用意している間に相手が襲ってきそうですね。
前回もでしたが、駒の恋に時間を割いていますね。
駒は麒麟がくるのオリジナルの登場人物ですが、駒は今後、重要な役目を果たすから、時間を割いているのだろうかと考えていました。
5話で、細川藤孝(幽斎)が登場しましたね。
細川藤孝は血の気の多い人物とのことで、息子の細川忠興は血の気が多そうなイメージがありましたが、お父さん(藤孝)も!?親子で大変だなと思っていました。
麒麟がくるでは、モックンの斎藤道三の演技が評判ですが、吉田鋼太郎さん演じる松永久秀にも期待しています。
歴史好きなら松永久秀を知っている人は多いだろうと思う位、強烈なエピソードが久秀には残されています。
今後が楽しみになるような演技を見れた気がします。
いずれにしても、近いうち登場するであろう織田信長の演技で、今後の麒麟がくるの面白さを左右されるように思います。
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