麒麟がくる20話のあらすじ、感想記事です。
織田家と今川家の戦いが今にも起きそうな頃。
織田家を案じる明智光秀は、於大の方と水野信元を動かすことで松平元康を織田方につける案を思いつきます。
一方の今川義元は、元康の動向を不安に思いながら、先鋒を任せ尾張に進軍していくのです。
戦支度をする今川家
永禄3年(1560年)、今川家のお膝元・駿府の市場。
医療具の入った袋を手に持った駒(門脇麦さん)は、麻布の反物に魅かれて織物屋にいました。
そこへ、店主がやってきて、今川家の家来衆が反物をまとめ買いしているので、この様な反物は暫く入らないかもしれないと言います。
大きな戦を控えた今川家は、戦用の衣服を仕立てる反物が必要だったのです。
回りのお店を見渡すと刃物、米、味噌、皮なども売れていて、完売して店仕舞いしていました。
売れた商品は、尾張方面へ送られているようです。
今川家が何万という大軍を擁して、尾張と戦をすると噂されていました。
困窮しながらも平穏に暮らす光秀
その頃、越前の明智光秀(十兵衛)(長谷川博己さん)は称念寺にいて、子供達に論語を教えていました。
講義を終えた光秀が家屋に戻ると、母・牧(石川さゆりさん)が光秀と煕子の長女・お岸をあやしていました。
牧は駒が反物を送ってくれたと話し、お岸の夜泣きが止まない時や肌荒れの時に使える薬草も入っていたと喜びます。
牧や煕子(木村文乃さん)と話した光秀は、嬉しそうにお岸の顔を覗き込むと、尾張から戻った左馬助(間宮祥太朗さん)が待つ部屋に行こうとします。
そこに煕子が追ってきて、左馬助に湯漬けを振る舞いと思ったそうですが、「もう米がない」と言いました。
お金を借りれそうな所からは、既に借りていると困った煕子は、駒が送ってくれた薬草を半分質に入れることを提案するのでした。
光秀は、歯がゆい思いを抱えながらも了承しました。
左馬助に織田家の様子を見に行かせる
旅から戻り疲れていた左馬助は、休んでいましたが光秀がやってきて、尾張の様子について報告をします。
尾張の情勢は、光秀が心配した通りだったのです。
尾張の国境にある大高城、鳴海城が今川方に寝返り、尾張侵攻の足掛かりとなる出城になっていました。
この今川方の勢いが強い状況で、戦となれば織田家が危ないと光秀は案じています。
光秀は尾張の城の配置図を見ながら、思考を巡らすのです。
そんな折、左馬助は、かつて織田家の人質だった竹千代(岩田琉聖くん)(今は松平元康)が、今川家で大事にされているらしいという帰蝶(川口春奈さん)からの情報を光秀に伝えます。
すると光秀は、以前、織田信秀(高橋克典さん)の屋敷で、竹千代に偶然会ったことを思い出しました。
今川が尾張と戦をする時は、三河の松平家を先鋒に起用すると思った光秀は、良い考えを思いつきます。
そして、再び帰蝶の元へ行くように、左馬助に命じるのでした。
先鋒は松平元康に!?
一方の駿河の今川館、尾張の国境の城を味方につけた今川義元(片岡愛之助さん)は、一気に尾張に攻め込もうとしていました。
今川家の家老・三浦二郎左衛門は、尾張を平定できれば、今川家の所領とあわせて、全国屈指の領土を誇る大大名になれると意気込みます。
家老に戦の総大将を任せることもある義元ですが、今回は自ら出陣しようと考えていました。
先に大高城に入り、作戦を考えてたのです。
先鋒を誰にしようかと考えていると、三浦二郎左衛門から三河の者が良いのではないかと提案されます。
三河は尾張に面していて、地の利に通じている為でした。
源応尼に養育される松平元康
場面は変わって、松平元康(風間俊介さん)(幼名は竹千代)のいる智源院。
松平元康は、望月東庵(堺正章さん)と将棋を指していました。
東庵は将棋が強く、元康は3年かかって、ようやく5勝目をあげたところでした。
戦を前に幸先の良い勝利を収めた元康は、祖母・源応尼(真野響子さん)に喜びを伝えます。
父を亡くし、母と生き別れた松平元康は、今川義元から命じられた祖母に養育されていたのです。
そんな源応尼は、首が痛い為、東庵に鍼を、駒には灸を施してもらったところでした。
駒が次の家に行くと智源院を後にすると、駒を追うように松平元康も明日また来る旨を伝え、去っていきました。
東庵と二人になった源応尼は、尾張と戦する時は、三河が最前線で戦い、今回も元康が先鋒を任され、危険な役目を担うと嘆きます。
今川義元に呼ばれこれから向かう予定の東庵は、なんだか気が重いと感じてました。
生きて帰ると駒に誓う元康
松平元康は、駒と共に歩いていました。
館に帰っても家臣は、戦の話ばかりするので、元康は寄り道をしているのです。
父を亡くした松平元康は、母は織田方の実家に帰された為、祖母と共に今川家の人質になっていることを、仕方ないと思っていました。
今川から三河を返してもらうまで、じっと耐えるしかないと駒に言います。
しかし、たまに全てを投げ出したくなるという心境も駒に吐露しました。
そして駒は、万病に効果があるという丸薬を元康に渡します。
それは、駒の患者で、芳仁(ベンガルさん)という老人がつくる薬でした。
その薬を購入した人で、戦で亡くなった人がいないことから、戦のお守り代わりにしている人もいるそうです。
駒からお守りを貰った元康は、必ず生きて帰ってくると誓うのでした。
今川義元の一抹の不安
一方、望月東庵は、今川館を訪ねていました。
今は亡き今川義元の軍師・太原雪斎(伊吹吾郎さん)が、東庵の鍼は効果がある旨伝えていたのです。
今川義元は肩こりが酷く、東庵に鍼を打って欲しいと言います。
しかし、義元の一番の目当ては、東庵と懇意にしている松平元康の真意を探る事だったのです。
今川義元は、人質とはいえ、岡崎城主の嫡男だった松平元康に配慮し、育てたと自負していました。
元康の元服にも手を貸し、「元」の字を与えました。
初陣では、今川義元の期待に応える働きを元康はみせ、三河の棟梁に相応しいと義元は見込んでいたのです。
しかし、三河の武士たちは、駿河の配下に置かれている為、今川家に不満があることも義元は知っていました。
ですが、今回の戦は、尾張の隣国で顔を突き合わせてきた三河の力が無ければ、勝利は難しいと義元は思っていたのです。
なので、松平元康を先陣にすれば、三河勢は今川方につくしかなくなるという打算もありました。
しかし、松平元康が織田に寝返ることがあれば、今川義元の身が危険です。
不安を感じた義元は、望月東庵に意見を聞きたいと思っていたのです。
松平元康と親しい東庵は、複雑な思いを秘めながら、元康は裏表のない人物なので、心配ないとの意見を伝えました。
熱田神宮に於大の方と水野信元を呼ぶ
同年5月、25000の大軍を率いた今川義元は、尾張に兵を進めました。
清州城では、織田家重臣が集まって戦略を練りましたが、意見が割れ言い争いになります。
軍議が開かれる中、織田信長(染谷将太さん)は、スッと立ち上がりいなくなったのです。
帰蝶の元へ行くと、帰蝶は尾張の熱田神宮に向かうのだと言い、信長も誘いました。
それは、松平元康の母・於大の方(松本若菜さん)と、於大の方の兄で、信長に臣従している水野信元(横田栄司さん)を呼んでいた為でした。
光秀の献策を受けた帰蝶は、信長の名を借りて二人を呼んでいたのです。
光秀が考えた作戦は、於大の方と水野信元を動かすことで、松平元康を寝返らすことでした。
信長はその知恵は誰の物かと尋ねますが、帰蝶は先を急ぎ答えません。
ですが、察しはつくと嬉しそうな顔を信長はするのでした。
朝倉家で鉄砲の腕前を披露する光秀
その頃、越前にいた光秀は、朝倉義景(ユースケ・サンタマリアさん)の家臣に鉄砲の腕前を披露していました。
見事な腕前に感服した義景の家臣は、光秀が何故、越前で仕官していないのか不思議に思いました。
光秀は美濃を追われた身の為、気を使い仕官先を探せなかったのです。
ですが鉄砲の腕前を見込まれ、朝倉義景の家老に話をしてもらえることになりました。
数日後、家老はまず義景に話を通すように言ったそうですが、義景は京から来た公家と蹴鞠に興じていたのです。
義景はお遊びで忙しい為、光秀は明日また来るよう言われてしまいました。
織田家が今川家とここ一番の戦をするという時に、呑気に蹴鞠に興じる朝倉義景に、嫌悪感を光秀は感じました。
居ても立っても居られなくなった光秀は、左馬助に尾張へ行く抜け道を案内させることにしました。
於大の方と水野信元に調略を依頼する信長
その頃、尾張の熱田、織田信長と帰蝶は、於大の方と水野信元に対面しています。
水野信元は、松平元康のことで呼び出されてのだろうと、分かっていました。
また、織田家の間者は、先鋒を任された松平元康が、三河入りした情報を得ていました。
水野信元は甥と敵味方に分かれて、戦をすることになったのです。
信長にどう考えいるかと問われた於大の方は、松平元康とは16年会っていなく、もう顔も声も分からず母親と言えるのだろうかという心境を吐露しました。
兄・水野信元が織田家の家臣になった為、今川家に仕えていた亡き夫に離縁され、我が子・松平元康と離れ離れになっていたのです。
織田信長は、自身が松平元康ならば、16年、20年会わなくても、母は母だという見解を示します。
すると於大の方は、松平元康に戦から手を引くように諭した文を、信長に差し出しました。
そして水野信元は、既に元康の元に送り込んだ者に、今川から離反するよう説得させると約束します。
また、水野信元は願いがあると言い、三河を三河の者に返して欲しいと懇願し、信長は承諾するのでした。
於大の方の文は、菊丸に託されました。
大高城に入城した元康と信長の策
5月16日、今川義元は三河の岡崎城に入り、17日に松平元康は尾張に進軍しました。
今川軍の先鋒が尾張に進軍したことは、丸根砦を守る佐久間盛重の情報により、信長に知らされました。
丸根砦は、今川方に寝返った尾張の大高城に対抗するため、築いた砦です。
大量の兵糧を大高城に運び込み、大高城を根城にする考えではないかと織田家重臣らは考えます。
丸根砦に大高城の攻撃を命じるべきという重臣の言葉に、信長は無言のままでした。
場面は変わって大高城。
無事入城した松平元康を、大高城を守る今川家家臣・鵜殿長照(佐藤誓さん)が出迎えていました。
今川義元のいる沓掛城より、明日、織田方の砦を攻め落とすよう指示が出た旨、鵜殿長照より伝えられます。
松平元康は道中、織田方に見つかったようですが、全く攻撃を受けず奇妙に感じていました。
その話を、動きが素早く手出しできなかったのだろうと鵜殿長照は、気にせず流したのです。
その頃、清州城の織田信長。
家臣から松平元康の大高城入城報告を受け、明日、元康が丸根砦に攻めて来たら、戦わず火を放つよう命じました。
やはり、元康は敢えて見逃されていました。
信長は勝負は、丸根砦に火をかけ逃げた後だと言います。
信長は今川義元のいる沓掛城から、大高城に行く道を確認し、「桶狭間」を通過しそうであることを知ったのです。
於大の方の文を読む元康
松平元康が休息を取るため部屋に向かうと、平伏す菊丸に気が付きます。
部屋に入ると菊丸は、於大の方の文を手渡しました。
松平元康は幼い頃に生き別れ、会いたいと願うものの、叶わなかった母からの文に動揺します。
直ぐに読んで欲しいという母の言葉通り、直ぐに目を通します。
文には、勝敗に関わらず、良いことは無いと書かれていました。
今回の戦は、今川方につき勝利しても、松平家に三河は返してもらえないのです。
また、他に何も望まないので、元康に会いたいと思っていることも書かれていました。
元康は母の文に涙し、母の言葉に心が揺れました。
そこで菊丸が、これが三河の者全ての願いであると背中を押すのです。
菊丸は、この日の為に仕えてきたのだと言います。
打倒今川を強く進言し、織田につき三河を取り戻したいと説得します。
その頃、明智光秀と左馬助は、尾張を目指し、馬を走らせていました。
麒麟がくる20話の感想
少女だった駒が、時が経って大人の女性に変化していましたね。
演技で表現できる門脇麦さん凄いなと思いました。
今川義元と言えば、貴族かぶれで軟弱に描かれることもありますが、愛之助さんの義元は迫力があって良いですね。
本当の今川義元は、武勇に優れた名君だったと云われていますので、納得の配役です。
今川義元が撫でていた猫の獲物を狙う目つきで、義元の心情を表現するのは斬新な発想に思いました。
撫でていた猫が、トットとすり抜けたのも、今後を暗示しているようで、猫に俳優がいるのかなと不思議な感じがしました。
於大の方は、我が子と離れ離れになり、寂しい気持ちを抑えて生きていたのだろうと思いました。
声も顔も忘れてしまったけれど無事を祈っている心境を伝え、一筋の涙を落とす。
一方の織田信長は、戦の調略のため、水野家の二人と対面したのに、自身の親子関係と重ねたのか切ない想いがあったように感じました。
於大の方の文を読む松平元康の表情、菊丸の三河を大事に思う気持ちも良かったです。
今回も脇役の好演に魅せられました。
ただ、光秀が桶狭間の戦いに関与していたというのは、少しキツイ気がします。
桶狭間の戦いの頃、光秀は悶々とする日々を過ごしていたでは、駄目なのかなと思いました。
煕子が黒髪を売って家計の足しにした逸話など、光秀が主役なんだという出来事を、時々でも入れて欲しいなと思ったりもします。
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