麒麟がくる16話のあらすじ、感想記事です。
斎藤義龍(高政)と対立することを覚悟した斎藤道三。
戦を回避しいたい明智光秀は、帰蝶に会いに行くなど奔走しますが、道三は出陣してしまいます。
敗北濃厚な道三に恩義のある明智光安、光秀の決意は…。
斎藤道三が大桑城に入る
天文23年(1554年)、斎藤道三(本木雅弘さん)の次男・孫四郎(長谷川純さん)と三男・喜平次が(犬飼直紀さん)、日根野備中守(ひねのびっちゅうのかみ)(弘就)(山本浩貴さん)によって滅ぼされました。
命じたのは、道三の長男・斎藤義龍(高政)(伊藤英明さん)でした。
二人の亡骸を確認した斎藤道三は、速やかに稲葉山城を出ます。
道三が向かった先は、美濃の北にある大桑城(おおがじょう)、かつて土岐氏が居住した館です。
隠居を理由に稲葉山城を出るのであれば、近くにある鷺山城(さぎやまじょう)に入るところ、遠くにある大桑城に入るということは、斎藤義龍(高政)と対立する覚悟があることを意味します。
道三が義龍(高政)を敵とみなすことを示したことで、美濃はいつ内戦が起きても、おかしくない状況になったのです。
光秀に不信感を持つ帰蝶
場面は変わって明智城。
道三と義龍(高政)、どちらにつくべきか悩んだ明智光安(西村まさ彦さん)は、甥・光秀(十兵衛)(長谷川博己さん)と相談していました。
明智光秀は、戦が起きれば美濃の弱体化につながると考え、回避できないかと考えていました。
光秀は、戦になるかならないかは、帰蝶(川口春奈さん)と信長(染谷将太さん)が重要な要素を握っていると感じ、尾張へ行くことにしました。
帰蝶は清州城で光秀と対面し、孫四郎達が亡き者にされ、胸を痛めていました。
また、兄・義龍(高政)に対し、怒りを隠しませんでした。
そんな帰蝶に対して、光秀は義龍(高政)も悪いけれど、帰蝶が追い詰めたのだと指摘します。
義龍(高政)と信長の関係に不安のあった帰蝶が、孫四郎に家督を継がせようと画策したのです。
孫四郎が立ち上がれば、明智家もついてきてくれるはずと言い、孫四郎をたきつけていました。
光秀自身は、道三と義龍(高政)、どちらにも属さず中立の立場を保とうとしていて、孫四郎が波乱を起こさないか心配していたのです。
光秀は、帰蝶の義龍(高政)に対する怒りを受け止めながらも、道三の肩を持って戦を助長することは控えて欲しいと頼みます。
そして、美濃の外からの口出しは遠慮して欲しいと、訴えたのです。
ですが、帰蝶は光秀の要請を、迷いなく断りました。
道三は、海のある尾張と手を結び、市場で美濃の産物を売れば、美濃を豊にできると思い織田家と和睦をしていました。
それなのに義龍(高政)は、信長と敵対関係にある織田信安、信賢父子と通じ、今川義元(片岡愛之助さん)とも誼を通じようとしていました。
帰蝶は、美濃だけの問題ではないと思っていたのです。
ですが義龍(高政)は、信長と同盟を解消するとは、明言していません。
もし手切れとなれば、阻止してみせると光秀は帰蝶に誓います。
また、光秀は義龍(高政)と幼い頃からの学友であり、何を考えているのか、大体理解していると思っていました。
義龍(高政)が今川と手を組み、信長と対立することは、有り得ないと信じていて、そうならないように一命を賭して押しとどめるつもりだと言います。
なので、帰蝶には手出しをしないで欲しいと願っていたのです。
しかし、帰蝶は光秀に対して、不信感を持っていました。
信頼していた光秀だからこそ、孫四郎を差し向けたのに、冷たく追い返していたからです。
なので、これ以上、光秀と話しても無駄だと考えた帰蝶は、帰るようにと言い放ち、去って行きました。
光秀に理解を示す信長
隣の部屋で光秀と帰蝶の会話を聞いていた信長は、帰蝶の考えも光秀の考えもわかると理解を示します。
信長が間者に調べさせた情報によると、道三の兵数は2000人前後、一方の義龍(高政)は10000以上という見立てでした。
美濃の国衆の支持を、義龍(高政)が得ていた為です。
光秀の言う通り、道三は今、戦をするべきでないと信長は言います。
そう話すと、読みかけていた『古今集』に目を通し、「冬ながら 空より花の 散りくるは 雲のあなたは 春にやあるらむ」の歌の解釈が分からず、考え込むのでした。
また帰蝶は、わずかな兵では父は身を守れないと考え、伊呂波太夫(尾野真千子さん)を探すことにしたのです。
臨済寺で学ぶ松平元信
場面は変わって駿河。
今川義元の軍師・太原雪斎(伊吹吾郎さん)が、病で亡くなりました。
太原雪斎の治療にあたっていた望月東庵(堺正章さん)と、助手(門脇麦さん)の駒は臨済寺に足止めされてしまいました。
それは、今川家の政にも関わっていた太原雪斎が亡くなったことを、周辺大名に知られたくないと今川義元が考えた為でした。
臨済寺の庭で、望月東庵が昆布と豆を煮ていると、松平元信(後の徳川家康)(池田優斗さん)がやってきます。
竹千代(岩田琉聖くん)が成長した姿で、人質として留め置かれていたのです。
松平元信は、臨済寺の本堂で太原雪斎から学問を教わっていた為、居ないことが悟られないように、いつも通り通って勉強しないといけなかったのです。
昆布にも興味があった松平元信ですが、駒に好意を持っている様子です。
それは、太原雪斎が駒のことを、気がきくと誉めていたので、松平元信は気になっていたのです。
そこへ、見張りの武士と共に、菊丸(岡村隆史さん)がやってきました。
望月東庵に薬草を持ってきたのです。
菊丸は実は忍者ですが、内密に松平元信の身を守る役目を担っていました。
松平元信のことを「若様」と呼ぶ菊丸を見た駒は、顔見知りかと思いますが、元信が館に薬を持参してくれる者だと誤魔化します。
菊丸は話をそらすように、美濃は道三と長男(高政)の間で、険悪な空気が漂っていると話題を変えたのです。
松平元信も孫四郎達が亡き者にされたこと、美濃はいつ戦になってもおかしくないことを、今川家の家臣から聞いていました。
そう聞いた駒は、明智家の人達のことが心配になり、臨済寺の脱出を試みようと画策します。
そこで、夜に抜け出そうと思った駒は、抜け道を知っているという菊丸に協力を願い出たのです。
菊丸は困りながらも了解しました。
義龍(高政)は土岐源氏!?
その頃、稲葉山城では、義龍(高政)や稲葉良通(村田雄浩さん)などが宴会を催していました。
そこには、必死に笑顔をつくり、歌に合わせながら、汗だくで踊る光安の姿がありました。
家督を譲られた義龍(高政)に取り入り、引き続き明智荘をとして認めてもらおうと必死になっていたのです。
叔父・光安の姿に内心驚く光秀ですが、義龍(高政)に促され奥の部屋に行きます。
先日、光秀は帰蝶に家督について、口を出さないように釘を刺しましたが、義龍(高政)にも戦をしないように要請しました。
義龍(高政)自身も戦を望んでいない様子でした。
また義龍(高政)は、自身の実の父は、道三ではなく土岐頼芸(尾美としのりさん)であると周囲に言っていました。
その発言が気になった光秀は、どちらが誠の父か問います。
すると義龍(高政)は、どこの誰かもわからない成り上がり者よりも、土岐源氏の一族となれば、美濃の人達も安心し納得すると言います。
また、幕府に美濃の守護に就けてもらうよう願う際も、土岐源氏の方が良いと考えていたのです。
美濃の土岐氏は、光秀と同族とする説があります。
明智光秀と土岐源氏についての記事です。
☟
明智光秀と土岐氏~「ときは今~」の連歌に込められた想いとは~
明智荘の安堵を願う明智光安
義龍(高政)は、明智光安から引き続き明智荘を安堵して欲しいと挨拶されたと光秀に言います。
しかし、光安にはまだ伝えていなと前置きした義龍(高政)は、明智荘の領地替え、更に光安の隠居と光秀の家督相続を提案するのです。
義龍(高政)は、美濃を一新するためには、国衆達の領土のあらい直しが必要だと思っていました。
また石高な不明な領土もあり、年貢を逃れる為の「隠し田」についても調べたいと考えていたのです。
明智荘よりも広い領土にすると約束してくれたものの、明智家が守ってきた土地を手放すことに複雑な思いが光秀にありました。
館に戻った光秀は、妻・煕子(木村文乃さん)に明智荘からの領地替えの話があったことを打ち明けます。
そこに光安の息子・左馬助(間宮祥太朗さん)が訪ねてきて急を知らせました。
道三は、義龍(高政)と戦をする決意をし、志同じくする者は、大桑城に参陣するよう呼びかけたのです。
斎藤道三につくことを決意した光安
その頃、光安は飼っていた鳥を逃がしていました。
寂し気な光安に光秀が近づくと、明るいうちにメジロを逃がしたのだと言います。
明智荘を守っていきたい思いの強い光安は、義龍(高政)から領地替えをする話を聞いて、義龍(高政)に味方する気になれないでいました。
美濃が新しい国になるのは良いけれど、義龍(高政)に命を預けたくないと思っていたのです。
そこで光安は、道三に呼応して大桑城に向かおうとします。
しかし、光秀は道三側に兵は集まらないので、勝つ見込みが低いと諭します。
光安の行為は明智家の存続に関わるとして、光秀は二日待って欲しいと光安にお願いするのでした。
道三を説得する光秀
大桑城に登城した光秀は、道三に戦を思い止まるように説得しようとします。
すると道三は、先ほど帰蝶が奇妙な女をよこしたと話出します。
道三の身を案じた帰蝶は、伊呂波太夫に頼み、道三が生き残る道を模索したのです。
越前に逃れ自身の身を守ってもらおうと、伊呂波太夫が道を案内する旨、打診しにきたのです。
ですが道三は、鎧を脱ぐつもりは無いと断言し、追い返したと言います。
光秀は戦が起きれば、美濃の国衆同士で血を流すことになると懸念していました。
道三も睡眠不足になる位に迷ったようです。
斎藤道三の考え
義龍(高政)は本当の父は道三とわかりながら、土岐頼芸の子であると言いふらし、土岐氏の子でありたいと願っていると道三は考えていました。
人の上に立つ者は正直であるべきで、偽る者は人や国を欺き、国は穏やかにはならないと道三は言います。
一方の光秀は正直者、光秀を評価すると道三は、自身の記憶力が低くなり衰えを感じ、家督を譲ったことを打ち明けます。
しかし、譲る相手を間違え正したいのだと、覚悟した鋭い目つきで言うのです。
集まった兵に威勢良く声をかけた道三は、鶴山に向かい陣を張ると言い出陣する構えを見せます。
道三は去り際に、美濃一国ではなく、もっと大きな国を統一したかったが、叶わなかったことを光秀に話します。
しかし織田信長は面白い、光秀も信長となら出来るかもしれない「大きな国をつくるのじゃ」と言い去っていきました。
光安に続く覚悟をする
光秀が明智荘に戻ると、藤田伝吾(徳重聡さん)から光安が道三の元へ馳せ参じると言い、左馬助と共に出陣したことを聞かされます。
しまったという顔を光秀はしていました。
藤田伝五らは戦支度を整えて、光秀の決断を待っていましたが、どちらの陣にも行かない旨、言い残し去って行きました。
館に戻った光秀は、母・牧(石川さゆりさん)から、義龍(高政)から陣に参陣するよう誘いがあったことを聞かされます。
煕子も光秀が戦に行く覚悟をしていて、皆も覚悟できていると伝えます。
光秀は鉄砲を手に道三にお世話になったこと、義龍(高政)との友情を思い出していました。
そして、光秀は覚悟を決め光安に続いて、道三のいる鶴山を目指すことを家臣に宣言したのです。
斎藤義龍(高政)の生涯と斎藤道三(利政)と長良川の戦いに至る経緯
麒麟がくる16話の感想
道三と高政の戦が避けられなくなるという展開。
劣勢と分かっていながら、長良川の戦いへ突き進む道三の心情が分かりやすかったです。
周囲を欺く高政は、国を治める器ではなかったと気が付いて、負けを覚悟で戦に挑むという道三の決意は、父としての務めでしょうか。
道三は、天下統一して「大きな国」を作る夢を、光秀と婿の信長に託していました。
この先、光秀が信長に仕える時に、「信長とならやれる」と道三が言ったことを思い出して、家臣になるという展開もあるのかなと思いました。
また遺書が本当か分かりませんが、信長に美濃を譲ると書いた道三の遺言があるので、「信長は面白い」は史実からきているのかもしれないと思いました。
「さらばじゃ」と槍を携え走り去る姿はかっこよくて、こんなにかっこいい道三は、見られないかもしれないと思いました。
明智光安が可愛がっていたメジロを逃がす姿は、寂し気に感じました。
敗北濃厚な道三側につく決意を現していましたね。
いつも弱気な光安ですが、最期の決断は情に厚い光安らしいと思いました。
戦国時代の人物でありながら、人間味のある光安叔父さんが、もう時期見れなくなるのは寂しいです。
道三につく決意をした光秀にとっても苦渋の選択でしたね。
以前高政は、父に代わって国を支えたい、その時は光秀に協力して欲しいと言い、光秀も承諾するという流れが3話でありました。
光秀もそのことは覚えていたシーンがあり、どんな思いだったのだろうと思いました。
また11話で織田と今川の和睦のため光秀が奔走した回で、高政に「何でも言うことを聞く」と約束した場面があります。
今後、どのような願いが高政から光秀に伝えられるのかと思っていましたが、まだ無くて…。
今回の高政の所へ馳せ参じるという呼びかけが、その「何でも言うことを聞く」の約束に当たるのでしょうか。
光秀は道三の元へ向かうので、約束は果たされず、より高政の怒りが倍増?など考えたりします。
次回の長良川の戦いで、道三、光安ロス…、寂しいですが楽しみです。
参考・引用・出典一覧
コメント