麒麟がくる23話のあらすじ、感想を書いた記事です。
将軍・足利義輝を助ける為、織田信長や松永久秀に掛け合い、奔走する明智光秀についての回です。
織田信長に御内書を渡す
永禄7年(1564年)、織田信長(染谷将太さん)は、美濃の斎藤義龍(高政)(伊藤英明さん)の後を継いだ、斎藤龍興と戦をしていました。
戦になって三年の月日が流れていましたが、斎藤方の土豪は手強く、信長は苦戦を強いられていたのです。
そのような中、明智光秀(十兵衛)(長谷川博己さん)は、尾張・小牧山城にいる織田信長を訪ねます。
思うように美濃を攻略できずに苛立っていた信長は、光秀が将軍・足利義輝(向井理さん)の御内書を持参しているのを知りながら、つれない態度を取ります。
織田信長は御内書を受け取り、御内書の趣旨が上洛のことだと分かりながら、続きは木下藤吉郎(豊臣秀吉)(佐々木蔵之介さん)にするよう言いつけて去ってしまいます。
木下藤吉郎から義輝襲撃計画を聞かされる
明智光秀は、木下藤吉郎に膳のもてなしを受けますが、信長がいつ御内書に目を通すのか気になって仕方ない様子です。
すると突然、木下藤吉郎が帰蝶(川口春奈さん)から教わった『万葉集』の和歌を口ずさみます。
木下藤吉郎は、帰蝶から明智光秀の話をよく聞いたと言い、賢い人と聞いた光秀に不穏な噂を知らせます。
それは、近々、京で足利義輝を襲撃する計画があるということです。
義輝を操り京を牛耳っていた三好長慶(山路和弘さん)は亡くなり、養子で甥の三好義継(黒部弘康さん)が後を継いでいます。
三好義継とその家臣らが、足利義輝襲撃を企てているというのです。
足利義輝は自分勝手に政を行い、誰の諫言も聞かず、皆が困っているので、このような計画になったそうです。
しかし明智光秀は、足利義輝はそのような人間ではないと反論します。
襲撃計画も本当だろうかと疑問を持ちますが、藤吉郎は近江の大名・六角承禎(六角義賢)の家臣から聞いた話で、間違いないと譲りません。
そして、藤吉郎は、義輝襲撃計画を止められるのは、裏で操っている松永久秀(吉田鋼太郎さん)しかいないだろうと言うのです。
覚慶(足利義昭)に共感する駒
その頃、駒(門脇麦さん)は、大和の興福寺一乗院付近にいました。
大和で覚慶(後の足利義昭)(滝藤賢一さん)という僧侶に会いに行っていたのです。
駒は芳仁(ベンガルさん)から教えてもらった丸薬を巡って、医師の望月東庵(堺正章さん)と喧嘩をし仲直りしていません。
ですが、医療を施せる人が少ないという現実に胸を痛めていたのです。
一方、僧侶の覚慶も仏のように多くの人を救えないと、自身の無力さを嘆きます。
駒と覚慶が共感したところで、覚慶が麒麟がくる世を望んでいる旨を駒に話し、駒を驚かせます。
麒麟の話は、駒の命の恩人・明智光綱から聞いており、駒も麒麟を待ち望んでいたからです。
覚慶の父で将軍だった足利義晴は、麒麟がくる世になって欲しいといつも語っており、覚慶(足利義昭)も兄・足利義輝もそう願っていました。
しかし、足利義晴、足利義輝も戦の無い世をつくれず、今も戦が絶えません。
すると、怪しげな武士に見張られていることに気が付いた覚慶は、突然、駒の手を取り走り出します。
事情があって武士に追われている覚慶と共に、駒も懸命に走り、武士を振り切って市に出ました。
市で売っていた亀を見ながら冗談を言う覚慶に、駒は不思議な魅力を感じているようです。
二人で歩いていると、広場で笛や太鼓や歌に合わせて踊る芸人に出会い、誘われるように駒も輪に入っていきます。
覚慶は駒に見とれていましたが、義輝の側近・細川藤孝(眞島秀和さん)と一色藤長(上杉柊平さん)に挟まれてしまいます。
覚慶はうんざりという表情ですが、藤孝らに守られ寺に連れ戻されてしまうのです。
伊呂波太夫が丸薬の販売を提案する
覚慶がいなくなったことに気が付いた駒は、探しましたが見つけられずにいました。
そんな時、駒の肩を叩く人がいて、それは宿に戻らない駒を心配した伊呂波太夫(尾野真千子さん)です。
そして、伊呂波太夫は駒に丸薬を販売しないかと提案しました。
伊呂波太夫は腹痛を訴える僧侶に丸薬を分けたところ、効果があり伊呂波太夫に注文したいとの依頼があったそうです。
駒は丸薬を貧しい人に無償で渡すつもりで作ったものでしたが、伊呂波太夫は安くても販売した方が良いと駒に言い、丸薬を取りに京へ戻ろうと急かします。
松永久秀に直談判する光秀
三日後、明智光秀は、松永久秀に会いに大和の多聞山城に赴きます。
松永久秀は目の前に一尺ほどの壺を三つ並べ、真剣な表情で睨み、二つを木槌で叩き割ります。
その壺は堺の商人が持ち込んだ茶入れの壺で、田舎大名に名器として高値で売りつけようとしているそうです。
そこで、三つもあっては有難みに欠けるとして、松永久秀に一つを選んで欲しいと依頼がきていました。
松永久秀が名器と言えば名器になる位、久秀は焼き物の目利きとして有名になっているのです。
松永久秀が一仕事終えたところで、光秀は足利義輝の襲撃計画を中止するよう説得しようとします。
すると久秀は、始めは物に値打ちはなく、人がつくっていくものとの持論を話出します。
それは将軍の値打ちも同じだと言い、将軍にふさわしくないと思えば、値打ちは下がると言います。
明智光秀は、それが理由で足利義輝を討とうとするのかと強い口調で聞きくと、松永久秀は義輝を討つのではなく、京から追放したいのだと返答をします。
明智光秀が足利義昭を大事に思っていることは、松永久秀も承知していて、久秀自身も最近までは義輝を大事にしていました。
しかし、武田信玄、上杉謙信、毛利元就、朝倉義景(ユースケ・サンタマリアさん)など名だたる大名は、義輝の為に動きません。
その上、幕府側の人間でさえ、義輝に呆れている者もいるのが実情です。
事実上の天下人、三好長慶が存命の頃は、長慶が要所を抑えて、政が成り立っていました。
三好長慶亡き後、これでは世が治まらないとして、義輝を追放する計画をたてたのです。
松永久秀の主である三好義継、久秀の嫡男・久通らも義輝を排除しようとしていて、その流れを久秀に変える力はないと言います。
足利義輝を大事に思っていた光秀は、段々と怒りがこみ上げてきます。
そして光秀は、武士の棟梁である将軍は、欠かせない存在ではないかと訴えかけます。
厳しい顔をした松永久秀は、別室にいた義輝の側近・細川藤孝を呼びつけました。
義輝に付き従っていた細川藤孝ですが、松永久秀の意見に同調し、次の将軍を助ける為に動き出していたのです。
細川藤孝までが同調していることに光秀は言葉を失います。
松永久秀は、松永久通らには義輝を滅ぼさないように、伝言してあると言い添えました。
義輝 光秀に別れを告げる
その後、京の二条御所にいる足利義輝の元に光秀は戻ります。
足利義輝は二条御所に一人取り残され、織田信長までもが上洛に応じないことを悟っていました。
大名らは戦で忙しく、義輝が和議を命じても誰も従わないと言います。
家臣達も居ない二条御所は静かで、起床した時の風の音に驚いたと語りだすのです。
義輝は『古今和歌集』にある「秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる」という和歌に自身をなぞらえ、自分の夏は終わったのだとため息をつきます。
明智光秀に越前に帰るよう命じた足利義輝は、光秀の尽力に感謝を伝えます。
そして、欲を言えばもっと早く出会いたかったという義輝の言葉が、光秀の心に響き、光秀の涙が頬を伝い流れます。
その様子を見つめた義輝は、越前に帰ったら朝倉義景に命ある限り、幕府を支えて見せると伝えて欲しいと言い、二人は別れました。
望月東庵の元へ帰った駒
その頃、駒は、望月東庵の診療所前にいましたが、入るのに躊躇していました。
ですが、盗賊襲撃により、東庵が怪我をしたという話を聞いて、急いで東庵の元へ駆け寄ります。
望月東庵は、お金、洋服、硯など全部持って行かれたと肩を落とし、怪我で腕が使えないと嘆きます。
そこへ伊呂波太夫がやってきて、駒は丸薬を販売する話を断ります。
伊呂波太夫は、腹痛が治ったという宮司にも、分けて欲しいと依頼されていると言います。
駒は望月東庵も丸薬を渡すことを良く思っていなく、医者にかかれない人の為に作った薬であると言いますが、伊呂波太夫は、僧侶も宮司もその様な人に渡したいと願っていると言い700人分の薬を依頼するのです。
駒は困惑しましたが、望月東庵は米や味噌も要ると言い、本意ではないものの、一袋を十文で作って欲しいという依頼を引き受けました。
口利き料2割を引いた手付金を望月東庵は、受け取ったのです。
光秀 越前に戻る
一方の明智光秀は、足利義輝の言葉を思い出しながら、越前に戻ってきました。
久しぶりに帰ってきた光秀は、家族から暖かく迎えられます。
光秀は、朝倉義景に報告に行ったと言い、京のことは義景が思っていた通りで、国の外に振り回されず、野心を持たずこの国にじっとしているよう言われたそうです。
光秀の話を聞いた煕子(木村文乃さん)は、娘のお岸やたまが大きくなった頃、穏やかな世であればと願います。
翌年の永禄8年(1565年)、三好義継率いる軍勢が、足利義輝を襲撃する事件が起きました。
麒麟がくる23話の感想
いつの間にか木下藤吉郎が信長の家臣で、組頭に出世してましたね。
未だに佐々木蔵之介さんの藤吉郎に違和感があります。
史実では信長の方が3歳程年上ですが、染谷将太さん28歳に対して、佐々木蔵之介さん52歳ということもあり、余計にシックリしないのかもしれません。
最初、染谷信長にも違和感があったので、佐々木藤吉郎にも少しづつ慣れて、ハマってくれると良いなと思います。
足利幕府の栄華は過去のものになり、何の力もない落ちぶれた将軍に成り果てた義輝の哀愁、無念、苦悩を表した向井理の演技が素晴らしかったですね。
22話では三好長慶がいなくなれば、幕府を立て直せると思っていた義輝ですが、一層追い込まれてしまいました。
光秀ともっと早く出会っていたなら、別の道があったのでしょうか。
足利義輝と光秀の場面は、麒麟がくる23話の一番見せ所だったと思います。
足利義輝にこんなにスポットが当たると思っていなくて、こんなに素晴らしい義輝が見れるとも思わなかったので、驚いています。
次回の24話はいよいよ…ですね。
視聴者の声を見てみると、駒や望月東庵など架空の人物の登場場面を減らして欲しいと願っている人が多いようですね。
何か意味があるのかなと思い観てますが、尺が足りるのかは心配しています。
断片的な史料は少しありますが、信長に仕える前の光秀は謎だらけなので、この辺りもほぼ架空の話。
予定通りならば、麒麟がくるは44話予定なので、折り返し地点にきていますが。
明智光秀の偉業とされる丹波平定、光秀の善政を今に伝える丹波統治についてどう描かれるのでしょうか。
また、本能寺の変を決意してから、光秀が亡くなる過程は、アサッリと描かれる予感がしています。
時間がないというのもありますが、光秀にとって暗の部分なので、全部で1話にまとめるなどして、描かれのではと予想していますがどうなるでしょうか。
参考・引用・出典一覧
コメント
コメント一覧 (2件)
初めてまして、鷲谷と申します!
『麒麟がくる』の23回についての記事を書いたのですが、その際にかおりんさんのあらすじ、感想を参考にさせていただきました。
今回の大河は脚本が非常に作り込まれている気がしてわくわくしますね。
松永久秀の「価値」の話も示唆に富んでいるというか、後々の光秀の信長観にも影響している気がしますよね。
先の展開が楽しみです。
それと、誠に勝手ながら自ブログにてかおりんさんの記事のリンクを貼らせていただいたので、ぜひ遊びにいらしてください!
初めまして。
ご丁寧にありがとうございます。
麒麟がくるは面白いと思いますし、今後、松永久秀がどうなるかも気になりますね。
また、ブログには遊びに行かせていただきます。