麒麟がくる24話のあらすじ、ネタバレ、感想記事です。
三好勢の襲撃により、足利義輝は落命し、将軍の座が空きました。
足利義輝の弟・覚慶(足利義昭)を守る細川藤孝、三淵藤英ら、覚慶が将軍の器かどうか見定める光秀。
次期将軍を巡り、関白・近衛前久を巻き込み、足利義栄を推す三好勢と対立していきます。
義輝が没し将軍の座が空席になる
永禄8年(1565年)、京で大事件が起きました。
三好長慶(山路和弘さん)の後を継いだ三好義継(黒部弘康さん)と、義継の取り巻きたちが、将軍・足利義輝(向井理さん)を襲撃した事件です。
二条御所にいた義輝は、無謀なことをすれば身を亡ぼすと戒めたという、『詩経』小旻(しょうびん)の一節を唱えると、敵兵に立ち向かいます。
足利義輝は剣豪将軍として知られており、塚原卜伝から指導を受け武術に優れた人物です(鹿島の太刀)。
義輝は見事な太刀さばきで、襲いかかる敵を刀で斬り、途中から薙刀に替え応戦します。
ですが、三好勢が障子を盾にして三方から槍で突き、義輝の命は尽きてしまいます。
享年30歳の若さでした。
越前にいる明智光秀は、左馬助(間宮祥太朗さん)から、足利義輝討ち死にの訃報を聞きます。
光秀は驚き憤ります。
この永禄の変という出来事により、突如として将軍の座が空いてしまったのです。
覚慶を脱出させる
数日後、足利義輝の側近だった細川藤孝(眞島秀和さん)、一色藤長(上杉柊平さん)らは、憤っています。
永禄の変で義輝のみでなく、義輝、義昭らの母・慶寿院も没し、末弟・周暠(しゅうこう)も討ち果たされました。
足利将軍家を根こそぎ一掃するかのような三好家の暴挙に藤孝らは憤り、大和の多聞山城にいる松永久秀(吉田鋼太郎さん)を訪ねていたのです。
三好勢が先走ったのは、こちらの落度であると認めた久秀は、覚慶(後の足利義昭)(滝藤賢一さん)の身を案じます。
覚慶は、足利義輝の弟で、周暠の兄、足利家の嫡流です。
しかし、覚慶のいる興福寺一乗院は、既に三好の軍勢に囲まれていて、細川藤孝らは屋内に入れずにいるのです。
松永久秀は三好家を動かす重臣の一人で、覚慶のいる一乗院(大和)は久秀の領内です。
久秀は覚慶が大和から脱出し、義輝の側近だった甲賀の和田惟政の元へ逃れられるよう取り計らいます。
その夜、松永久秀は一乗院を訪ね、覚慶に目通りし、将軍になる覚悟はあるのかどうか覚慶に問います。
足利将軍家は、世継ぎ争いを避ける為、嫡子以外は出家させる習慣があり、覚慶も同様でした。
6歳で出家した覚慶は、刀を持ったことも、弓を引いたことも無かったのです。
覚慶は、そんな自分に武家の棟梁である将軍が務まるはずないと思っていました。
すると松永久秀は、将軍家末弟・周暠も僧侶の身でありながら討ち果たされたと言うと、このまま滅びるのか、それとも将軍になるかと迫ります。
そして、生きることに執着する覚慶の姿を見た久秀は、近々迎えにくる細川藤孝らに従うように献言し去って行くのです。
その後、庶民に偽装した藤孝らがやってきて、目立たないように商人に変装した覚慶を連れ、大和を脱出し甲賀を目指します。
朝倉義景が光秀の力量を試す
その頃、越前の明智光秀(十兵衛)(長谷川博己さん)は、朝倉家の家老・山崎吉家(榎木孝明さん)に頼み事をしています。
足利義輝の訃報を聞いた光秀は、義輝を討たないと言った松永久秀の元へ行こうと、大和へ行く許可をもらいにきたのです。
山崎吉家は困惑しましたが、朝倉義景(ユースケ・サンタマリアさん)が行かせたら良いと言い、旅立てることになります。
明智光秀は美濃を追われて以降、越前では寺小屋の師匠に甘んじています。
その一方で、光秀は頻繁に京へ行き、将軍に目をかけられていました。
朝倉義景は、光秀が使える人物なのかどうか、興味深く感じていたのです。
光秀 松永久秀を問い詰める
明智光秀は多聞山城を訪ね、松永久秀に足利義輝を討った理由を、凄い剣幕で問い詰めます。
明智光秀に憎まれていることが分かった久秀は、鉄炮を光秀に渡すと自分を討つように促し、目を閉じて待ちます。
足利義輝襲撃に久秀の嫡男・久通が関わっていて、久秀はその責任を負わなくてはならないと感じた為です。
光秀が久秀を撃てずにいると、久秀はこのままでは幕府が滅んでしまうと言います。
松永久秀は、幕府あっての武士だと考えるようになっていました。
光秀は久秀の考えに驚きます。
それは、光秀の主君だった斎藤道三(本木雅弘さん)同様、久秀も身一つで名を馳せた人物で、将軍の威光などは関係ないといった態度に見えていた為です。
松永久秀は大和を拝領し、京で政務を行う中で、幕府や将軍の威光が人を動かす一因になることを感じていたのです。
ただ、本当にそうなのか、答えを出せずにいるところでもあると言います。
そして久秀は、覚慶のことを光秀に話します。
細川藤孝らの取り成しにより、大和脱出に成功し、甲賀の和田館に身を寄せているのだと久秀は言います。
覚慶は高僧になるはずであった人物で、世俗に戻れば、血縁上は最も将軍にふさわしい立場です。
朝倉義景は、覚慶が将軍にふさわしい人物ならば、越前でその身を引き受けても良いと久秀に書状を送っていました。
そして、覚慶が将軍の器かどうか光秀に確かめさせる為、光秀が甲賀に行くよう仕向けて欲しいとも書いていたのです。
光秀は、朝倉義景と松永久秀が裏で取引していたことが分かり、不満に感じます。
すると久秀は、武士の世界は大きな曲がり角に差し掛かっていて、ここからどう生きるかお互い正念場であると言うのです。
足利義栄を将軍にするよう脅される近衛前久
その頃、望月東庵(堺正章さん)の診療所では、駒(門脇麦さん)の作った丸薬がよく売れていて、慌ただしくしています。
700袋用意する話でしたが、それ以上に要望があり、望月東庵、お茶売りの親子にも手伝ってもらっています。
しかし丸薬の調合は、駒一人で行っている為、駒は大忙しなのです。
その様子を見た伊呂波太夫(尾野真千子さん)は、駒に人を増やしたらどうかと助言します。
そこへ、朝廷の最高位である関白・近衛前久(本郷奏多さん)が、伊呂波太夫の元へやってきました。
近衛前久は、足利義栄(一ノ瀬颯さん)が次期将軍に就くために便宜を図るよう三好一族から強要されており、伊呂波太夫に意見を求めに来たのです。
将軍が就任する際は、天皇から宣下を受ける必要がありますが、宣下の前に天皇は政所の意見を聞くことになっています。
その際に決定する役目は、関白・近衛前久にあったのです。
足利義栄は、足利義輝の従兄弟ですが、覚慶は義輝の実弟です。
血統から考えれば、覚慶が次期将軍にふさわしいと考えているものの、足利義栄を将軍に就けないと斬ると脅され悩んでいるのです。
伊呂波太夫は、次の神輿に誰を担ぐかでもめるのは武士だけで、関白が命を落とすのは馬鹿げていると言います。
そして、足利義栄を推したことで戦になるのなら、お互いに滅ぼし合い、武士がいなくなれば戦がなくなり結構なことだと憤慨します。
将軍になる覚悟ができない覚慶
その頃、甲賀の和田惟政の館に逃れていた覚慶。
光秀が和田館に着いた頃、覚慶が大和の興福寺一乗院に戻ろうとした為、大騒ぎになっていました。
亡き兄・義輝が、光秀を信頼してたことを知った覚慶は、光秀に自分は将軍職が務まるだろうかと問います。
覚慶が甲賀に逃れたのは命を惜しんだのであって、将軍になる為ではありませんでした。
将軍になることを望まれていることに気が付きかけたものの、覚慶は戦が好きではなく、命を落とすのも怖いと思っています。
人の命を絶つことを考えただけでも、恐ろしいと思うくらい弱い自分に将軍が務まるのだろうかと思っていたのです。
覚慶は強さも器量も、兄・義輝にかなわないと打ち明けます。
すると控えていた細川藤孝が覚慶の身体には、足利家の尊い血が流れていると言い、足利家の矜持(プライド)を持って、御旗を高く掲げて欲しいと覚慶に言い聞かせます。
そして藤孝の兄で、義輝の側近だった三淵藤英(谷原章介さん)が、覚慶の還俗が決まったことを伝えます。
覚慶が還俗し元服を終えると、将軍になる資格を得たことになります。
三淵藤英は覚慶に覚悟を固めるよう進言するのです。
その夜、光秀は細川藤孝、三淵藤英とお酒の席で話し合いますが、全員、覚慶が将軍になる見通しに不安を抱えているようです。
そこで、藤孝が覚慶と共に上洛し、朝廷から征夷大将軍の宣下を賜るしかないと言います。
しかし、上洛にあたっては、三好一族など敵対勢力との戦が想定される為、有力大名の支えが必要になります。
藤孝と藤英は、光秀が越前に帰ったら、朝倉義景によろしく伝えて欲しいとお願いするのです。
覚慶は将軍の器!?
越前の一乗谷。
光秀は、報告の為に朝倉義景に謁見します。
義景の家老・山崎吉家は、覚慶は六角承禎を頼り、和田館から近い矢島に移るとの情報を得ていました。
朝倉義景は次第によっては、越前に覚慶を迎えても良いと言います。
光秀の返事次第という義景に、覚慶が将軍の器かどうか尋ねられた光秀は、将軍の器に思わない旨を伝えます。
予想外の返事に義景は驚きます。
その頃、細川藤孝は急いで三淵藤英の元へ向かい、三好勢に先を越されたとの急報を伝えます。
近衛前久は三好勢が推す足利義栄を、次期征夷大将軍に推挙する旨、正親町天皇(坂東玉三郎さん)に奏上したのです。
麒麟がくる24話の感想
麒麟がくる24話は、永禄の変から始まりましたが、意外とアッサリと描かれたなと思います。
麒麟がくるでは、足利義輝にスポットが当たっていた印象があったので、もっと時間をかけて描くものと思っていましたが、早々に終わってしまいました。
尺が少ないことが影響しているでしょうか。
足利義輝の最期は、諸説ありますが、数本の名刀を畳に刺し、刃こぼれすると新しい刀に替えて応戦する場面は有名で、剣豪将軍らしい描写を期待した方もいらっしゃるかもしれません。
麒麟がくるでは障子で義輝の視界を防ぎ、三方から槍で刺していましたが、「四方を畳で囲み刺す」という従来の説と似たオリジナルバージョンでした。
コロナの影響で、本番の数日前に一度稽古しただけで撮影したシーンだったようで、コロナ下で殺戮シーンは大変なようですね。
向井理さんの義輝は、美しくて心に残る将軍で、義輝のキャスティングは、向井理さんで良かったと思います。
永禄の変の時の松永久秀の描き方は、史実上どうだったかハッキリしていませんし、難しいかなと思いました。
襲撃に直接関与していないものの、黙認していたのか、知らなかったのかなども不明ですし。
駒の丸薬は寺社に提供しているので、後々、比叡山延暦寺と関係してくるのでしょうか。
また、近衛前久は、歴史上好きな人物の一人ですが、本郷奏多さんの前久も良いですね。
この頃の公家は、お金も権力もあまり無かった頃だと思いますが、本郷奏多さんの青白いお顔が上手く雰囲気を出しているように思います。
光秀は覚慶のことを将軍の器ではないと見たようですが、後に覚慶(足利義昭)の側近になるので、どのような心境の変化があるのだろうと楽しみに見たいと思います。
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