麒麟がくる15話のあらすじ、感想記事です。
出家し家督を義龍(高政)に譲った道三。
次男・孫四郎は不満をあらわにし、帰蝶や三男・喜平次と共に、義龍(高政)の失脚を企てます。
義龍(高政)は、織田信長がほぼ尾張を手中に収めたことで、尾張を味方につけた孫四郎らに守護代の座を奪われると危惧し一計を企てる回です。
義龍(高政)失脚を企てる孫四郎
天文23年(1554年)、斎藤利政(本木雅弘さん)は仏門に入り、道三と号します。
道三の次男・孫四郎(長谷川純さん)と三男・喜平次(犬飼直紀さん)も、道三が剃髪する場に同席していましたが、不満そうな顔をする孫四郎の姿がありました。
家督を長男・義龍(高政)(伊藤英明さん)に譲った道三は、義龍(高政)の声を道三の声だと思い従うように家臣らに言い渡したのでした。
二ヶ月後、夜遅くに叔父・明智光安(西村まさ彦さん)の屋敷に呼ばれた明智光秀(十兵衛)(長谷川博己さん)は、何事かと思いながらも向かいます。
孫四郎は、夜遅く家臣達を引き連れて、内密に明智光安の屋敷を尋ねていたのです。
夜分突然訪ねたことを詫びた孫四郎は、義龍(高政)の家督相続に納得のできないと不満を露にします。
義龍(高政)の家督相続に不安を感じるのは、姉・帰蝶(川口春奈さん)も同じだと孫四郎は言います。
帰蝶は、義龍(高政)が当主になれば、織田信長(染谷将太さん)と対立して戦になると案じて、孫四郎に明智家と美濃が進むべき道を相談するようにと伝えたのでした。
孫四郎は喜平次(弟)らと共に、義龍(高政)と信長が対立する可能性を道三に伝えているそうですが、方針は変わらないと言います。
道三は、家督を譲ってみて見えるものがあると言い、義龍(高政)の政を見届けようと思っていたのです。
しかし、義龍(高政)は、反信長勢力である織田彦五郎(梅垣義明さん)の家老と密談を重ねていました。
また、信長と対立する織田信安とも接触しています。
このことから、義龍(高政)の考えは察しがつくと孫四郎は思っていたのです。
義龍(高政)に美濃は任せられないと思い、同じ意見の国衆らと共に、義龍(高政)に退いてもらうことは出来ないか模索していたそうです。
その反義龍(高政)陣営の筆頭に明智家になってもらいたいと考え、明智光安の元へ訪れたのでした。
孫四郎の要請を即座に断る光秀
孫四郎の話を聞いた明智光秀と光安は、乗り気ではないようで、光秀は孫四郎の申し出を直ぐに断りました。
義龍(高政)のことを熟知している道三が、考えた上で家督を譲ったのに、たったの2~3ヶ月で判断できないと考えたのです。
すると孫四郎は、義龍(高政)の愚行を見逃すのかと憤ります。
義龍(高政)は政を始めたばかりで、まだ良し悪しを判断できないと考えた光秀は、孫四郎に言い聞かせます。
孫四郎は、光秀と義龍(高政)の仲が良いから、悠長なことが言えると批判しました。
そう思うなら、ここへ来るべきではなかったのではないかと、光秀は言い返すのでした。
明智一族はもっと広い視野で、美濃のことを考えていると思っていた孫四郎は、失望して憤りながら去っていきました。
光秀は、参ったなという顔をするのでした。
孫四郎をそそのかす帰蝶
数日後、義龍(高政)に呼ばれた光秀は、稲葉山城に登城します。
義龍(高政)は、美江寺に出す文書を確認したり、近習らに指示を出し終えると、部屋の隅で待っていた光秀を呼びます。
義龍(高政)は、国衆などの訴えで忙しく、他国と戦をしている暇はなく、平穏が良いと言います。
平穏が良いと同調する光秀に、それなら話が早いと、孫四郎について話し始めます。
義龍(高政)は、孫四郎が反義龍(高政)勢力を集め、明智家に先陣に立ってもらおうと考えたものの、光秀にあしらわれたこと知っていました。
孫四郎の行動の裏には、信長との対立を案じた帰蝶がいて、孫四郎をそそのかしていることも、把握していたのです。
父・道三は、孫四郎を甘やかして育て、また信長の評価が高く、政がやりずらいと義龍(高政)は不満を示します。
光秀が織田信長との和議はどうするつもりか問うと、義龍(高政)は、いずれ考え直すことになると言います。
ですが、それより前に織田彦五郎や今川義元が、信長を亡き者にするかもしれないとほのめかすのです。
家督を継いだ義龍(高政)に、織田彦五郎は礼節を尽く一方、信長と帰蝶は、挨拶も文さえ送ってきませんでした。
その上、孫四郎を操る黒幕が帰蝶であることもあり、義龍(高政)の心中は穏やかではありません。
そして、光秀に味方であるか確認した義龍(高政)は、帰蝶に釘を刺して欲しいと言います。
これ以上動けば、義龍(高政)側にも相応の覚悟があることを、帰蝶に伝えたいと考えていたのです。
考え事をしながら稲葉山城を去る光秀は、通路で織田彦五郎と遭遇しました。
光秀は、織田彦五郎と親密な様子の義龍(高政)に不安を感じていました。
道三の持論
数日後、光秀が道三の館を訪ねると、ご機嫌で鉄砲を撃っていました。
何か話があって光秀がやってきたことを、道三は気が付いていました。
道三に促され光秀は要件を話し、孫四郎とのやり取りを止めさせる為に、帰蝶の元へ行くように義龍(高政)から命じられたと相談します。
しかし光秀は、義龍(高政)の使者として帰蝶に会いに行っても、追い返されると言います。
光秀は、家督を巡る騒動の一因は、道三にもあると思っていました。
そして、道三が家督を譲る際に、道筋を決めなかった為に、美濃は混乱に陥っていると、恐れながら提言したのです。
光秀が一番聞きたいことは、信長との和議は、どうするつもりかということでした。
そして、義龍(高政)に政を全て任せるつもりなのか、それとも力量次第では、再び道三が政を取り仕切るつもりなのかも確認します。
再び自身が政をすることをきっぱりと否定した道三は、初めから道筋などは無いと言います。
道三自身も決まった道を歩んでもなく、乱世を戦で切り抜きながら、夢中で渡り歩いてきました。
義龍(高政)もそうするしかなく、力があれば生き残り、なければ閉ざされるという考えを示します。
それは、帰蝶や孫四郎にも当てはまり、弱い者は遅かれ早かれ、滅びるものだと道三は思っていました。
また道三は、信長が彦五郎達に敗れることがあれば、帰蝶には身一つで美濃へ戻ってくるように伝えていました。
そうは言っても、信長はそう簡単に負ける男では無いと道三は言います。
道三は、光秀に義龍(高政)と上手くやるように言うと、孫四郎にはきつく言い聞かせることを約束したのです。
清州城を手に入れた信長
その後、信長と内通した尾張の守護・斯波義統(しば よしむね)(有馬自由さん)が、彦五郎の重臣・坂井大膳によって亡き者にされました。
義統の嫡男・斯波義銀(しば よしかね)(松田周さん)は、信長のいる那古野城へ逃げ込んできました。
信長は清州攻めの先陣を切ることを斯波義銀に約束しますが、兵数が足りない為、どうしたものかと内心迷っていたのです。
信長達が留守にする那古野城で、帰蝶と信長の叔父・織田信光が(木下ほうかさん)、ひそかに相談しています。
織田信光は、実は清州城の織田彦五郎から、碁を打ちにこないかと誘われていると打ち明けます。
以前信光は、彦五郎の父と碁を打っていたので、懐かしんだ彦五郎からお誘いがあったそうです。
しかし、清州城に行けば、信長に疑われるのではないかと信光は気にしていたのです。
帰蝶は良い話だと言い「打ちに(討ちに)行けば良い」と背中を押します。
尾張の守護(斯波義銀)を信長に抑えられた彦五郎は、焦って仲間を増やしたいのだろうと帰蝶は思います。
帰蝶は手詰まりだったところで、好都合だと言いうのです。
そして、信光が心変わりしたとは思わないから、行ってお打ち(討ち)になるよう言います。
彦五郎と碁が終われば、信長も直ぐに行くことも伝えました。
そこで、信光は清州城主・彦五郎に味方する振りをして罠にかけ、彦五郎を亡き者にしました。
主を失った清州城の崩壊は早く、直ぐに斯波義銀を擁した信長が清州城に入ります。
こうしてあっけなく清州城と清州の周辺の城は落ち、岩倉城を除いた尾張は、ほぼ信長のものになったのです。
このことは、周辺の国々に衝撃を与えました。
孫四郎と喜平次に危機感を持つ義龍(高政)
信長の快進撃を聞いた道三は、自身の目に狂いは無かったと大喜びしたそうです。
孫四郎達は、帰蝶に祝いの名馬を二匹送っていました。
気の利かない兄・義龍(高政)に代わり、送った旨を文に書いたそうです。
その状況に義龍(高政)の側近・稲葉良通(村田雄浩さん)は危機感を持ちました。
実は、義龍(高政)の生母は側室・深芳野ですが、孫四郎の生母は正室・小見の方であるとう声が国衆の中でありました。
家督の継承は、道三の考え一つで変えられると思った稲葉良通は、尾張を味方につけた孫四郎に稲葉山城主の座を奪われないように義龍(高政)に注意を促しました。
義龍(高政)が外に目を向けると、孫四郎と喜平次を連れた道三が、鷹狩に行くところでした。
義龍(高政)の姿に気が付いた孫四郎は、得意げにニヤッと笑い去って行くのでした。
尾張に行く藤吉郎
駿府の太原雪斎(伊吹吾郎さん)にも、信長が彦五郎を討って、清州城を手に入れたことが伝わっていました。
信長を警戒した太原雪斎の声で、雪斎の治療にあたっている望月東庵(堺正章さん)と駒(門脇麦さん)にも、尾張の情報がもたらせていました。
駒は太原雪斎に渡す為、鴨子芹(かもこぜり)という薬草を買いに行きます。
館を出た駒は、文字を教わろうとする藤吉郎(豊臣秀吉)(佐々木蔵之介さん)に、付きまとわれてしまいます。
藤吉郎は字を教えてくれて、以前は傷を治してくれた駒に感謝し、お礼をしたいと思っていたのです。
駒が薬種問屋に着くと、菊丸(岡村隆史さん)がいて、藤吉郎に駒に付きまとわないよう苦言を呈します。
商人なら商いをするよう言う菊丸に、藤吉郎は、商人をやめて侍になると言います。
今川家の家臣になりたくて駿河に来たそうですが、信長の評判が良く、身分の低い出でも召し抱えてくれると聞いた為、尾張へ行こうと決めたのでした。
そこで、尾張に旅立つ前に3~4日、駒から字を教わりたいと願い出たのです。
孫四郎と喜平次の無念
天文23年(1554年)、孫四郎と喜平次は、体調の優れない兄・義龍(高政)の見舞いにやってきました。
食べ物が喉を通らず、身体もしびれるとのことで、心配した道三に見舞いに行くよう促されたのです。
寝たきりになったとも聞き心配した弟達を、義龍(高政)の命を受けた日根野備中守(ひねのびっちゅうのかみ)(弘就)(山本浩貴さん)によって斬られてしましました。
義龍(高政)は仮病を使い、おびき寄せたのです。
部屋に入る前に太刀を置くよう促された孫四郎と喜平次は、戦う術はありませんでした。
訃報を聞いた道三は、二人の亡骸を確認し、孫四郎の亡骸に抱き着ついたことで、血が付着しました。
道三は、孫四郎の血を自身の顔塗りつけ、怒りを募らせていきます。
義龍(高政)に全てを譲ったのに、「美濃を手に入れた褒美がこれか」と道三は嘆き悲しみます。
道三は、義龍(高政)の居る方を向いて、怒りを露にし絶叫するのです。
夜中、道三は稲葉山城から離れた場所にある、美濃の大桑城を目指し移動していました。
その頃、稲葉山城。
義龍(高政)は、弟を斬ったのではなく、齋藤道三の子供を斬ったのだと家臣に説き伏せます。
道三は父ではない、自身の父は土岐源氏で美濃の守護であった土岐頼芸だと堂々と言います。
美濃を乗っ取り混乱させたとして、当然の報いかのように話すと、これから揺るぎのない美濃を目指すと結束を促しました。
孫四郎と喜平次の件は、光秀にも伝わっていて、美濃の行く末を案じています。
麒麟がくる15話の感想
15話も見どころが沢山あったと思いました。
マムシ・道三の娘らしい策略で、信長を天下人に押し上げるのは、帰蝶なのかもしれないですね。
織田彦五郎と碁を打つを、彦五郎を討つとかけて、叔父・信光の背中を押す帰蝶。
道三譲りのしたたかさ、笑みを浮かべて謀、帰蝶の静かな迫力を感じました。
叔父・織田信光役の木下ほうかさんは、15話限りの出演とのことです。
渾身の勇気をふり絞って、彦五郎を打ち果たすという名シーン、一回きりの出演で見事な存在感だったと思います。
15話は尾張でも美濃でも、骨肉の争いで血みどろ回という感じでしたが、箸休め?のように雰囲気が変わりました。
駒と藤吉郎と菊丸の三角関係になりそうな?やりとり。
あまり気品を感じない藤吉郎ですが、頭が良くて、先を読む力に長けていたことを示していましたね。
稲葉良通役の村田雄浩さんの演技は、味がありますね。
稲葉良通は斎藤家の家臣ですが、義龍(高政)を操っているような感じがします。
側室の子である義龍(高政)は、正室の子である孫四郎と喜平次を亡き者にする展開。
史実上の孫四郎と喜平次は、一説には正室の子と云われていますが、確定はされていません。
麒麟がくるのように、孫四郎と喜平次は正室の子とすると、義龍(高政)が疑心暗鬼になる過程も理解しやすいなと思いました。
義龍(高政)は、コンプレックスを持っていたということでしょうか。
また、モッくん道三の迫真の演技。
悔しさと怒りが伝わってきましたね。
物語が戦国らしくなってきて次回も楽しみですね
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